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情動と理性のディープ・ヒストリー

意識の誕生と進化40億年史

著:ジョセフ ルドゥー
訳:駒井 章治

紙版

内容紹介

世界的な神経科学者ジョセフ・ルドゥーは, ヒトの「意識」を理解する鍵は, 地球上に現れた最初の生物からはじまる進化の全貌に迫ることだと主張する. 本書では, 生命40億年の歴史をたどり, 私たちと私たちの祖先との間の類似点を深く掘り下げ, 神経系の進化がいかにして生物の生存・繁栄能力を高め, 意識の出現を可能にしたのかを探求する. 単細胞生物からヒトの脳にいたる壮大な物語.

目次

まえがき
プロローグ いったいどうして……?

第1部 自然の中の私たちの位置
第1章 深い根/第2章 生命の樹/第3章 王国到来/第4章 共通祖先/第5章 生きているモノ

第2部 生存と行動
第6章 生き物の行動/第7章 動物行動を超えて/第8章 初期生存者たち/第9章 生存戦略と戦術/第10章 行動再考

第3部 微生物の命
第11章 ことのはじまり/第12章 生命そのもの/第13章 生存機械/第14章 細胞内の区分/第15章 LUCAの子どもたちの結婚/第16章 新種の息吹

第4部 複雑さへの移行
第17章 大きさ問題/第18章 生殖革命/第19章 ミトコンドリアのイヴ、ジェシー・ジェームズ、そして性の起原/第20章 植民地(コロニー)の時代/第21章 二段階の選択/第22章 困難を越える鞭毛運動

第5部 ……そして動物は神経系を発明した
第23章 動物とはなにか?/第24章 地味なはじまり/第25章 動物に目鼻がついた/第26章 神経の魔術/第27章 どのように神経と神経系ができたのか

第6部 海で生きた後生動物
第28章 前を向いて/第29章 組織問題/第30章 口か肛門か?/第31章 深海後口動物と私たちの関係/第32章 ふたつのコードの話

第7部 脊椎動物の出現
第33章 脊椎動物バウプラン/第34章 水生生物/第35章 地表にて/第36章 乳の痕跡

第8部 脊椎動物脳進化のはしごと樹
第37章 脊椎動物の神経バウプラン/第38章 ルードヴィッヒのはしご/第39章 三位一体の妖婦/第40章 ダーウィンによる情動をめぐる心理学の混乱/第41章 基本情動はどう基本か?

第9部 認識のはじまり
第42章 思考力/第43章 行動主義者による認識の発見/第44章 行動柔軟性の進化

第10部 思考による生存と繁栄
第45章 熟考/第46章 熟考認知のエンジン/第47章 おしゃべり

第11部 認知ハードウェア
第48章 回路を共有する知覚と記憶/第49章 認知連合/第50章 再配線されて熱くなる

第12部 主観性
第51章 そこにいる/第52章 意識があるとはどのようなことか?/第53章 より高みへ/第54章 脳の高度な気づき

第13部 記憶眼鏡から見た意識
第55章 経験の発明/第56章 ああ、記憶/第57章 記憶の貯蔵場所/第58章 記憶のレンズを通した高次な気づき

第14部 浅瀬
第59章 他の心の難しい問題/第60章 意識に忍び寄る/第61章 とある心

第15部 情動的主観性
第62章 情動意味論の落とし穴/第63章 生存回路は窮地から抜け出せるか/第64章 思慮深い感情/第65章 情動脳は熱い/第66章 生存は深いが、情動は浅い

エピローグ 私たちは自覚した自身を救えるのか?

著者略歴

著:ジョセフ ルドゥー
ニューヨーク大学のヘンリー&ルーシー・モーゼス科学教授、神経科学、心理学、精神医学、児童・青年精神医学の各教授である。ニューヨーク大学およびネイサン・クライン精神医学研究所の感情脳研究所の所長であり、マックス・プランク-ニューヨーク大学言語・音楽・感情研究センターの副所長、全米科学アカデミーのメンバーでもある。著書に『エモーショナル・ブレイン』『シナプスが人格をつくる』などがあり、フォークロックバンド「Amygdaloids」やアコースティックデュオ「So We Are」でも活躍している。妻のナンシー・プリンツェンタルとニューヨークのブルックリンに在住。
訳:駒井 章治
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科博士後期課程 修了。博士(バイオサイエンス)。神戸大学医学部第一生理学教室、マックス・プランク医科学研究所での博士研究員を経て、奈良先端科学技術大学院大学で助教、准教授として教鞭を執った。専門は脳科学・行動科学。

ISBN:9784759823332
出版社:化学同人
判型:4-6
ページ数:440ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD