敬語の文法と語用論
編著:近藤 泰弘
編:澤田 淳
紙版
内容紹介
現在の敬語研究についての包括的な論集。第Ⅰ部「敬語の文法―敬語の理論と分類―」では、敬語の本質論を広く考える。第Ⅱ部「敬語の語用論―敬語運用の歴史と地域差―」では、敬語史から方言研究に及ぶ敬語運用の実際面について考察する。第Ⅲ部「敬語とポライトネス―対人配慮と言語対照―」では、対人配慮に関する考察、および、他言語との対照研究を行う。現代語の敬語研究から、古典語の敬語研究、さらには、方言や他言語の敬語研究にまで及ぶ内容となっている。執筆者:近藤泰弘、菊地康人、滝浦真人、小田勝、澤田淳、森山由紀子、森勇太、日高水穂、金水敏、アイシェヌール・テキメン、井上優。
目次
第I部 敬語の文法―敬語の理論と分類―
敬語から見た日本語の種類―ダイクシスからの考察―
近藤泰弘
『敬語の指針』についての覚書と、もう一つの敬語分類案
菊地康人
なぜいま敬語は「5分類」になったのか?
―日本人の敬語意識に起こっていること―
滝浦真人
古典敬語の特質と関係規定語の問題
小田 勝
第II部 敬語の語用論―敬語運用の歴史と地域差―
日本語敬語の運用に関する語用論的研究
―相対敬語の類型化をもとに―
澤田 淳
10世紀末『落窪物語』における下位への対面素材敬語
―発話場面の文脈との関わりから―
森山由紀子
近世後期洒落本の「受益型」行為指示表現
―地域差と現代語との差異―
森 勇太
昔話談話にみる待遇表現の地域差
日高水穂
第III部 敬語とポライトネス―対人配慮と言語対照―
ポライトネスとキャラクター
金水 敏
ポライトネスと膠着語―日本語とトルコ語をめぐって―
テキメン・アイシェヌール
行為要求表現の形式と意味―日本語と中国語の場合―
井上 優