日本史研究叢刊 29
有間皇子の研究
斉明四年戊午十一月の謀反
著:三間 重敏
紙版
内容紹介
有間皇子の謀反の動機は世直し(革命)思想にあったとし、変を歌論史でなく法制史問題からとらえ直す。皇子の処刑地へ向かう途中で詠んだとされる二首詠歌は、斉明三年丁巳作であり、刑の執行前の歌ではないこと、また皇子の墓は海南ではなく切目崎であるなどの契冲以降の通説を見直した新説に富む論考。
目次
口絵 殺目山万葉歌碑
前言
序章 有間皇子自傷歌二首問題
第一章 有間皇子の一生
第一節 前編
第二節 後編
第二章 戊午革運実現者劉裕・蕭道成の位相
第一節 戊午革運前編
第二節 戊午革運後編
第三章 倭国律令時代
第一節 律令時代における行刑の実体
第二節 中臣連金の死と行刑法
第四章 戊午革命各論
第一節 塩屋連●魚寸考 (●=魚+制)
第二節 古代における皇族の謀反―海人族の協賛―
第五章 白浜裁判と前後編
第一節 白浜裁判前編
第二節 白浜裁判後編
第三節 斉明四年紀十一月庚寅条の藤白坂について
第四節 丹比小沢連国襲と行刑
第六章 行刑地に関わる皇子墓
第一節 殺目山寸考
第二節 有間皇子と有間皇子社
終章 岩内古墳は有間皇子墓に非ず
追記
索引(人名・書名・事項)
跋文