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利益を最大化する 価格決定戦略

著:上田 隆穂

紙版

内容紹介

消費増税に続いてコロナ禍と、消費が伸びない中で値付けが難しい日々が続きます。
企業・顧客・公共性の見地から、長期的に企業が利益を上げ続けるための価格マネジメントを、日本のプライシングの第一人者が説きます。
ダイナミックプライシング、サブスクリプションなどIT時代に合わせて注目される戦略も変わるもの。
ビジネス成功の鍵を握る価格を、戦略的にマネジメントしていくための指針となる1冊です。

目次

はじめに
「価格」はマネジメントの時代へ

価格の歴史
景気と価格の深い関係

「価格」と心理
高くても買う人とは誰なのか
L.L.ビーン社の顧客満足への努力
この事例に潜む本当に重要なことは?
ロイヤル顧客化を目指せ
ロイヤル顧客を生み出すこだわりの重要性
ロイヤル顧客の購買行動を分析する
アサエルの購買行動分類
牛乳の例で考えてみる
5年待ちでも100万円出しても、ほしいバーキン
ブランド価値の階層構造
4つの価値がどう重要なのか
モノを買うのか、体験を買うのか

人々が「価格」に感じる3つの価値
価格の「品質を推し量る」意味
価格が品質バロメーターとして働かない場合
価格のプレステージ性
インスタ映えするなら高級ホテルのプールも高くない
人気の2つの理由
「私たちにだけ持てる」商品の特別感
隠れ値上げ「お値段そのままサイズダウン」はファンを失う?
隠れ値上げと総額表示

「価格」のオケージョン
時と場合によって商品へ払っていい支出額が変化する
「文脈効果」の代表的なもの
トレードオフ・コントラスト
赤ちゃんのいるお母さんの悩みも解消、クイックルワイパー
コーヒーを飲むオケージョンと価格
高くても長年買ってもらえるクイックルワイパー
冬にも売れるスポーツ飲料は、風邪に効くか?

どうやって価値ある「時と場合」を生み出すか?
オケージョンと理想方向:強いオケージョンは?
問題のあるオケージョンで価値を高めるには
リアル社会とネット社会の融合
リアル社会とネット社会の存在による価格低下圧力
価値を上げて顧客満足度を上げる


「商品 」「人」を分けてアピールする
商品のカテゴライゼーション戦略❶カテゴリー・ブリッジング
機能性野菜はサプリメントか?

商品のカテゴライゼーション戦略❷新製品をどのカテゴリーに入れるか
冷風機とは、扇風機それともエアコン?
メーカー主導のカテゴライゼーションの行い方
消費者にとってのカテゴライゼーション
「ブランド知覚差」拡大化とサブカテゴリーの創造
納得できる価格と値ごろ感
消費者はなぜ価格の高低を判断できるのか?
価格の判断基準としての内的参照価格
内的参照価格を低くしない価格プロモーション?
消費者は得をすることと損をすることとどっちに敏感?
得と損とのインパクトを比較してみる
値上げは一気がいいのか、徐々にすべきか?
価格感度を「鈍らせる」戦略
支払いのタイミングと消費者のコスト意識
一括払いと月々払い、どちらが長期利用につながるか
需要調整をも考えた会費支払いシステム

利益を拡大する価格マネジメント❶
本体価格だけが本当の価格ではない
価値を扱う学問としての価値工学
知覚ライフサイクルコストを下げて価値を上げる
価格-品質志向バランスへの価格対応はどうすればいいのか?
感じる価値を上げるための枠組み
枠組みに沿った消費者分類の構図
分類される消費者層:戦略枠組みの対象とする中間層
価格から見た新製品開発へのアプローチ
3つの意味を測る質問項目
消費者を価格の意味でつくられる空間に位置づける
企業の目的と人々の価格感度をつなぐ顧客対応型価格戦略分類
テリスによるプライシング戦略の分類
テリスの価格戦略分類の内容❶差別化プライシング
①ランダム・ディスカウンティング
②経時的ディスカウンティング
③第2市場ディスカウンティング
テリスの価格戦略分類の内容❷競争的プライシング
④価格シグナリング
⑤浸透価格&経験曲線プライシング
⑥地理的プライシング
テリスの価格戦略分類の内容❸製品ラインプライシング
⑦イメージ・プライシング
⑧価格バンドリング&プレミアム・プライシング
⑨補完的プライシング

利益を拡大する価格マネジメント❷
ブランド力を維持したまま低価格ライン拡張を行う方法
なぜブランドのライン拡張を行ったのか?
ライン拡張における価格戦略
価格ゾーン、車格ゾーンによる価格戦略
なぜこの方法でブランド・イメージが落ちないのか?

エントリー・ブランドの重要性と役割
エントリー・ブランドの重要性
エントリー・ブランドとフリー・サービス

ダイナミック・プライシング
ダイナミック・プライシングとは何? そしてなぜ登場したのか?
ダイナミック・プライシングとは何?
ダイナミック・プライシング拡大の理由
ダイナミック・プライシングはどうして利益が出るの?
テリスの価格戦略に見るダイナミック・プライシング
売上反応曲線から利益を計算する
繁忙・閑散期以外に、どんな条件(変数)で価格を変える?
ユニバーサルスタジオジャパンの場合
大リーグの試合の場合
その価格に消費者は納得するのか?
企業の都合で価格を変えることへの反発が出る
消費者の「不公平感」を減らすには

サブスクリプション
サブスクリプションとは何か
サブスク・サービスの分類❶
サブスク・サービスの分類❷
サブスク・サービスの分類❸
サブスクリプションで顧客が手にするもの
企業はどこで利益を獲得できるのか
サブスクに適した業界は何?
非デジタル系の戦い方

中間流通価格の形成
流通価格体系を見直し、利益を手に入れるには
流通取引制度の仕組みの変化:建値制度の誕生
流通価格の決定プロセスはなぜ暗黒大陸化したか?
各種リベートの内容とその問題点
各種リベートの概要
リベートの問題点
中間流通価格への今後の対応
対応の方向性
具体的な資料作成
デジタル社会化のプライシングへのインパクト

具体的な価格の決め方
具体的な価格決定方法❶コンジョイント分析
コンジョイント分析
具体的な価格決定方法❷PSM法
セグメンテーションを組み合わせたPSMの活用法
具体的な価格決定方法❸ 調査ができないときに気合いで決める方法

著者略歴

著:上田 隆穂
学習院大学経済学部教授。
1953年生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社東燃入社。
1980年同社退職後、一橋大学大学院商学研究科修士課程に進み、1985年同大学商学部助手。
学習院大学経済学部専任講師、助教授を経て現職。博士(経営学)。
専攻はマーケティング、価格戦略、セールス・プロモーション開発、消費者深層心理、地域活性化など。
消費者の深層心理研究に基づくプロモーション開発、小売戦略等を中心に産学協同研究を活発に行う。
学習院大学経済学部長、日本商業学会副会長、日本消費者行動研究学会会長等を歴任。

ISBN:9784756921369
出版社:明日香出版社
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJS