感覚のラビュリントゥス IV
触覚のイコノグラフィア
ダフネ・蜥蜴・洗礼者聖ヨハネの舌
監・解説:上村 清雄
著:出 佳奈子
著:神谷 玖方子
紙版
内容紹介
本書で巡る、フィレンツェはメディチ家の宮殿に愛蔵された《アポロとダフネ》の小板絵に表現された男女が触れあう脚、マントヴァのパラッツォ・ドゥカーレはストゥディオーロに掲げられたカンヴァス画中に重ねられたマルスとウェヌスの足、ローマで制作されたカラヴァッジョの作品が伝える「痛み」に震える指、トリノで生みだされた絵画作品中にうごめく妖しい女性像が私たちに問う対象に「触れえぬ」手、そしてマントヴァの離宮の壁画に赤い薔薇の由縁を訊ねて女神の傷ついた足を求めるこの旅は、多くの発見に満ちている。この旅はまた、絵画作品を介して、ルネサンスからバロックにかけてのイタリア文化の深層に流れるきわめて複雑な意味の連なりを、「触覚」という感覚を通して探る行路をたどることともなるだろう。
目次
第1章 甘美な恋の触感──アントニオ・ポッライウォーロ《アポロとダフネ》 出佳奈子
第2章 愛と戦いの正当なる和合──マンテーニャ《マルスとウェヌス(パルナッソス)》 神谷玖方子
第3章 痛みのフィギュール──カラヴァッジョ《蜥蜴に咬まれる少年》 吉住磨子
第4章 さまよえる「手」──フランチェスコ・カイロ《洗礼者聖ヨハネの首の前のヘロディアス》 大野陽子
解 説 ウェヌスの深紅の薔薇──あとがきにかえて 上村清雄
註
人名索引
ISBN:9784756614315
。出版社:ありな書房
。判型:A5
。ページ数:284ページ
。定価:4500円(本体)
。発行年月日:2014年01月
。発売日:2014年01月29日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA。