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ヴァールブルク著作集 5

デューラーの古代性とスキファノイア宮の国際的占星術

著:アビ・ヴァールブルク
監訳:伊藤 博明
訳:加藤 哲弘

紙版

内容紹介

イタリア・ルネサンスの古代復興のデューラー作品における受容を考察しつつ、〈パトスフォルメル〉という概念を提起し、フェッラーラのスキファノイア宮に描かれたフレスコ画連作の占星術的イメージの分析によって、〈イコノロジー〉の方法論を実践した、ヴァールブルク美術史学の新たな展開を示す、学問的霊感に満ちた代表的論攷。

目次

第1章 デューラーとイタリア的古代
第2章 南と北における古代の神々の世界と初期ルネサンス
第3章 ランツフートにおける教会の美術と宮廷の美術
第4章 フェッラーラのスキファノイア宮におけるイタリア美術と国際的占星術
第5章 一五一九年の低地ドイツの暦における惑星神の図像について
原 註
補 註
デカン像の分析のためのテクスト——エルスベート・ヤッフェ
図版一覧
解題 〈パトスフォルメル〉とその受容をめぐって 加藤哲弘
解題 スキファノイア宮論文の背景と「イコノロジー」の誕生 伊藤博明
あとがき
人名/著作名/美術作品名 索引

著者略歴

著:アビ・ヴァールブルク
 美術史家ヴァールブルクは、一八六六年六月一三日、一七世紀以来ハンブルクに在住していたユダヤ系銀行家の七人兄弟の長男として、ハンブルクに生まれた。父はモーリッツ・ヴァールブルク、母はシャルロッテ。幼少より身体が弱く、一八七三年、アビが七歳のときにはチフスを患い、その結果就学が遅れる。体調の不安定さを自覚していた彼は、一八七九年、彼が一三歳のときに、すぐ下の弟マックスと有名な「契約」を結んだ。それによって、アビはマックスに、この有名な銀行家一族の「長子相続権」を譲り、そのかわりにマックスは、アビが望む本の代金を支払うことになる。豊かな資金をもとにアビが築き上げた類い稀な書籍コレクションの出発点である。
 一八八六年、ボン大学に入学したアビは、美術史家のユスティ(Carl Justi, 1832-1912)やトーデ(Henry Thode, 1857-1920)、神話学者のウーゼナー(Hermann Carl Usener, 1834-1905)、文化史家のランプレヒト(Karl Lamprecht, 1856-1915)たちのもとで学ぶかたわら、自らが購入した図書の記録をとりは…
監訳:伊藤 博明
埼玉大学教授 ルネサンス哲学・美術・思想史の第1人者
訳:加藤 哲弘
関西学院大学教授 ヴァールブルク研究を主なライフワークとするこの分野の第1人者

ISBN:9784756603814
出版社:ありな書房
判型:A5
ページ数:328ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2003年11月
発売日:2003年11月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA