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法人の災害対応ガイドブック

編著:橋本 満男
編著:栁沢 徹

紙版

内容紹介

災害が発生した際の被災者や被災事業者に対する国税の対応については、従来から国税通則法、災害減免法や各税法において申告・納付期限の延長、税の減免などが措置されていたが、その上で、阪神・淡路大震災や東日本大震災の際には、特別立法等により追加的な税制上の対応が行われてきた。しかし近年災害が頻発していることを踏まえ、平成29年度税制改正で災害が発生した場合の対応の規定が各税法に常設化され、災害発生時に迅速に税制上の対応がなされることとなった。本書は、災害からの復興・再建を目指す企業及び被災企業を支援する税理士に向け、災害時の法人税・消費税・源泉所得税の取扱いをコンパクトに解説。

目次

はじめに


第1部 ケーススタディ 災害に関連する税務の取扱い


第1章 法人税の取扱い
Ⅰ 被災した法人に係る取扱い
① 災害関係費用
ケース1 台風や地震で倉庫や店舗が被災した場合
ケース2 被災した建物や商品の評価減
ケース3 被災した社屋や自動車等の除却と有姿除却
ケース4 被災した工場や事務所を修繕した場合の費用の区分
ケース5 被災資産の修復時に補強工事を併せて行った場合
ケース6 地震により被災した水道管等を取り替えた場合
ケース7 豪雨で損壊した護岸の原状回復工事・拡張工事の費用
ケース8 被災していない資産に行った耐震性向上工事の費用
ケース9 被災した機械を修繕せず、買い替えた場合の取得費用
ケース10 地震で液状化した工場用敷地に行ったパイル打込費用
ケース11 地盤沈下・地割れした工場用敷地に行った地盛の費用
ケース12 被災に伴う修繕費用や人件費の原価外処理
ケース13 借りている工場建物を自社で修繕した場合の補修費
ケース14 従業員のために自社で仮設住宅を設置した費用
ケース15 被災した資産の修繕が決算期をまたぐ場合の損金算入時期
② 災害関係収入
ケース16 義援金や見舞金を受け取った場合の税務処理
ケース17 受け取った保険金で工場を新設した場合の圧縮記帳
③ 欠損金の繰越し・税金の還付・特別償却
ケース18 被災により多額の欠損決算となる場合の損失金の繰越し
ケース19 多大な欠損金が発生するため法人税額の還付を受ける場合
ケース20 仮決算の中間申告で所得税額の還付を受ける場合
ケース21 被災代替資産等を取得した場合の特別償却
④ 申告書等の提出期限延長と納税の猶予等
ケース22 被災により期限までに申告が間に合わない場合の延長
ケース23 被災により国税が納付できない場合の納税猶予
ケース24 帳簿書類等が消失して申告に必要な係数がわからない場合
⑤ 災害への備え
ケース25 80年間保存できる非常用食料品の損金算入時期
ケース26 防災用品を購入した場合の費用処理
ケース27 中小企業防災・減災投資促進税制とは


Ⅱ 被災者に支援を行った法人に係る取扱い
ケース28 役員・従業員等に災害見舞金品を支給した場合
ケース29 採用内定者に従業員と同じ基準で災害見舞金品を支給した場合
ケース30 会員に対する災害見舞金に充てるための分担金等を支払った場合
ケース31 取引先に現金や自社商品を災害見舞として贈った場合
ケース32 災害見舞金の金額の多寡
ケース33 取引先の役員等に個別に支出した災害見舞金品の取扱い
ケース34 復旧支援を目的に取引先の売掛金等を一部免除等した場合
ケース35 当社だけが取引先の売掛債権の免除を行った場合
ケース36 仮店舗で営業している間に行う売掛債権の免除
ケース37 被災取引先に低利又は無利息で融資等を行った場合
ケース38 被災小売業者に自社商品等を無償で交換・補てんした場合
ケース39 得意先の従業員が避難する避難所に自社製品を無償提供した場合
ケース40 避難所に無償提供した自社製品等の取扱い
ケース41 ボランティア活動を行った社員に支払う給与・交通費等
ケース42 日本赤十字社等に支出した寄附金・義援金の取扱い


第2章 消費税の取扱い
ケース1 帳簿や請求書等が消失してしまった場合の仕入税額控除
ケース2 従業員や取引先に災害見舞金を贈った場合
ケース3 自社製品等を避難所の被災者に無償提供した場合
ケース4 被災した取引先の売掛債権を免除した場合の処理
ケース5 災害等により簡易課税制度の適用を受ける(やめる)必要が生じた場合
ケース6 被災により課税事業者選択届出書等の提出が間に合わなかった場合


第3章 源泉所得税の取扱い
ケース1 役員・従業員に災害見舞金を支給した場合の源泉徴収
ケース2 父母等が被災した役員・従業員に災害見舞金を支給した場合
ケース3 被災した従業員等に生活資金を無利息で貸し付けた場合
ケース4 被災した役員・従業員に社宅を無償で貸与した場合
ケース5 災害のため異なる交通手段で通勤した場合の交通費
ケース6 自宅を修理するためジュニアNISA口座から金銭等を払い出す場合
ケース7 自宅を修理するため財形住宅(年金)貯蓄を払い出す場合


第2部 災害により被害を受けたとき等の税制の(特例)措置
1 固定資産の資本的支出と修繕費の区分の取扱い
2 災害損失特別勘定の繰入額の損金算入
3 受け取った保険金と圧縮記帳
4 災害による損失金の繰越し
5 災害による損失金の繰戻しによる法人税額の還付
6 仮決算の中間申告による所得税額の還付
7 被災代替資産等の特別償却
8 災害等による申告書等の提出期限等の延長
9 災害を受けたときの納税の猶予
10 災害により帳簿書類等が消失した場合の申告方法
11 中小企業防災・減災投資促進税制
12 寄附金・義援金の取扱い

ISBN:9784754727581
出版社:大蔵財務協会
判型:A5
ページ数:190ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:KF