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体系講義 対象関係論 下

著:松木 邦裕

紙版

内容紹介

本書は対象関係論の体系的テキストとして初級から中級の読者を想定している。精神分析を学び始めた人には学びの取っ掛かりとして,すでに学んでいる人には理解の進化の道しるべとして役立つことが目指されている。本書を一回読み通し,その後関心を引いたところを再度,再々度読むことで,対象関係論を包括的かつ相対的に理解することができる。下巻では,クラインと前期ビオンを継承し基盤とした現代クライン派精神分析の理論と技法を代表的な分析家の紹介も含めて解説するとともに,クライン・グループと並走するもう一つの対象関係論学派,独立学派の歴史と現在を展望,そして対象関係論を飛翔させたビオンの業績を中期,後期の区分を付けて解説する。

目次

第五部 クライン派精神分析の現在
第9章 現代クライン派精神分析と世界のクライン派分析
1.現代クライン派の成立/2.クライン派の伝統的な特徴/3.クライン派の世界での現状/4.現代クライン派の特徴
第10章 代表的な現代クライン派分析家の理論と技法
1.第2世代の精神分析的貢献の紹介/2.現代クライン派分析家/まとめ

第六部 インディペンデント・トラディション
第11章 独立学派の対象関係論
1.独立学派とは何か/2.クラインの考えの何が受け容れられ,何が受け容れられていないか/3.インディペンデント・トラディションの独自性/4.独立学派の人脈
第12章 代表的なインディペンデント・グループ分析家
1.プラットホームを築いた分析家たち/2.現代のインディペンデント・トラディション/3.インディペンデント分析家の最前線/4.米国の対象関係論者/まとめ

第七部 ビオンの精神分析・中期
第13章 ビオン精神分析中期──精神分析の科学的論理
1.展 望/2.クラインからの飛翔/3.分析体験ダイナミズムの科学論理
第14章 考えることと思考の成熟とその使用法──「グリッド」という仮説
1.何故「グリッド」なのか/2.グリッドが含むもの/3.グリッドの性質/4.グリッドの活用法,限界と欠点/5.グリッドの改良
第15章 こころでの変形 ──後期ビオンへの橋渡し
1.歴史──何ゆえに「変形」か/2.変形の理論/まとめ

第八部 後期ビオンの精神分析と対象関係論の全体像
第16章  後期ビオン──パーソナリティの真実/Oの探求,分析過程での破局的変化,技法としての無心の達成
1.後期ビオン:概要/2.パーソナリティの真実/Oの探求/3.精神分析過程に生じる破局的変化/4.技法としての「無心」
終章 対象関係論の全体像──その過去・現在・未来

あとがき
索引

著者略歴

著:松木 邦裕
1950年佐賀市に生まれる。1975年熊本大学医学部卒業。1999年精神分析個人開業。京都大学大学院教育学研究科教授を経て,現在京都大学名誉教授。日本精神分析協会正会員,日本精神分析学会運営委員。著書 「対象関係論を学ぶ―クライン派精神分析入門―」(岩崎学術出版社),「分析空間での出会い」(人文書院),「分析臨床での発見」(岩崎学術出版社),「私説対象関係論的心理療法入門」(金剛出版),「精神分析体験:ビオンの宇宙―対象関係論を学ぶ立志編―」(岩崎学術出版社),「分析実践での進展」(創元社),「不在論」(創元社),「摂食障害との出会いと挑戦」(共著,岩崎学術出版社)その他。訳書 ケースメント「患者から学ぶ」,「あやまちから学ぶ」,「人生から学ぶ」(訳・監訳,岩崎学術出版社),ビオン「ビオンの臨床セミナー」(共訳,金剛出版),「再考:精神病の精神分析論」(監訳,金剛出版)その他。

ISBN:9784753311903
出版社:岩崎学術出版社
判型:A5
ページ数:320ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM