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聖なるものの刻印

初版

科学的合理性はなぜ盲目か

著:ジャン=ピエール・デュピュイ
訳:西谷 修
訳:森元 庸介

紙版

内容紹介

未来のない効率信仰よりも、カタストロフィへの目覚めを!

政治哲学から経済哲学、認知科学のみならず、現在、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)倫理委員会委員長という原子力を含めた自然科学など、実に広範な学問分野にわたる現代知性の泰斗による思考の集大成。現代文明のグローバルに拡張される核エネルギー、IT,バイオ・ナノ・テクノロジー、金融工学などが、発展途上国を巻き込んで資源開発・乱獲に拍車をかけ、地球上の汚染を深刻化して、文明が破滅の淵に突進しようとしている現実とそれに盲目な学問批判。

目次

序 章 聖なるもののかたち
第一章 アポカリプスを間近に考える――わたしの歩み
第二章 科学、みずからそれと知らない神学
第三章 宗教 それは自然なのか超自然なのか
第四章 バビロニアンの籤引き 投票――合理的手続きと儀礼のあいだで
第五章 正義とルサンチマン
第六章 核の脅威、われわれにとっての新たな聖なるもの
       ――ビン・ラディンからヒロシマへ
第七章 「わたしが死ぬとき、わたしたちの愛はまるでなかったことになる」
       ――ヒッチコック『めまい』の主題による変奏
なぜ本書を訳出するのか 訳者あとがきにかえて・・・西谷修

著者略歴

著:ジャン=ピエール・デュピュイ
ジャン=ピエール・デュピュイ(Jean-Pierre Dupuy)
1941年生まれ。哲学者。スタンフォード大学教授。エコール・ポリテクニク名誉教授。イヴァン・イリイチ、ルネ・ジラールの薫陶を受け、政治哲学から経済哲学、認知科学に至る広汎な領域で活躍。とくに2000年代以降、「破局主義」の概念をめぐる諸著作によって注目を集める。また、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)倫理委員会委員長を務めてもいる。著作の日本語訳として、『秩序と無秩序』(法政大学出版、1987年)『ツナミの小形而上学』(岩波書店、2011年)。『チェルノブイリ ある科学哲学者の怒り』(明石書店、2012年)。『ありえないことが現実になるとき』(筑摩書房、2012年)『経済の未来』(以文社、2013年)などがある。
訳:西谷 修
1950年愛知県生まれ。東京都立大学フランス文学科修士課程修了、現在、東京外国語大学総合国際学研究院教授。
著書に『不死のワンダーランド』(青土社、1990年)、『戦争論』(岩波書店、1992年)、『〈テロル〉との戦争』(以文社、2006年)、『理性の探求』(岩波書店、2009年)ほか多数。
訳:森元 庸介
1976年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。パリ西大学博士(人文学)。東京大学大学院教務補佐員。著書に La Légalité de l’art. La question du théâtre au miroir de la casuistique (Fayard, à paraître)。訳書にジョルジュ・ディディ=ユベルマン『ヴィーナスを開く』(白水社、2002年)、ピエール・ルジャンドル『西洋が西洋について見ないでいること』(以文社、2004年)、ジャン=ピエール・デュピュイ『経済の未来』(以文社、2013 年)ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『ニンファ・モデルナ』(平凡社、2013年)などがある。

ISBN:9784753103188
出版社:以文社
判型:4-6
ページ数:352ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2014年01月
発売日:2014年01月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDT
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX