夜戦と永遠
フーコー・ラカン・ルジャンドル
著:佐々木 中
内容紹介
現代思想の絶対的な更新を試みる、俊英による精巧かつ狂暴なる達成!
すべては情報だなどと、なんと古くさい考え方だ ―― 圧倒的なラカン、ルジャンドル論を経て、決定的なフーコー論へと向かう、驚嘆すべき思考の道程。現代思想の絶対的な更新を賭ける、恐るべき新人思想家の登場。
目次
第一部ジャック・ラカン、大他者の享楽の非神学
第一章何故の難解さか
第二章〈鏡〉という装置 ―― ナルシスに囁くエコー
第三章享楽のレギュレータ ―― ファルスと対象
第四章女性の享楽、大他者の享楽 ―― 精神分析の臨界点
括弧(バランテーズ) 表象と死体 ―― ハイデガー・ブランショ・ギンズブルグ
第二部ピエール・ルジャンドル、神話の厨房の匂い
第一章「彼らは戻って来る。刃を携えて」 ―― ルジャンドルとは誰か
第二章〈鏡〉の策略 ―― 政治的愛と「ドグマ」の意味
第三章根拠律と分割原理 ―― 「何故」の問い
第四章系譜原理と〈父〉 ―― 誰かの子であること、誰かの親であること
第五章世俗化を相対化する ―― 〈中世解釈者革命〉と「国家の期限」
第三部ミシェル・フーコー、生存の美学の此岸で
第一章「権力と戦略」
第二章フーコーの「転回」 ―― 「アッティカ刑務所について」と「真理と裁判形態」
第三章規律権力の戦略(一) ―― 『監獄の誕生』
第四章規律権力の戦略(ニ) ―― 『精神医学の権力』と『異常者たち』
第五章戦争・生権力・人種主義 ―― 『社会は防衛しなければならない』
第六章セクシュアリティと「規律的生政治」 ―― 『知への意志』
第七章第二の転回 ―― 統治性とネオリベラリズム、そしてイラン革命
第八章生存の美学の此岸で ―― 『主体の解釈学』『快楽の用法』『自己への配慮』
括弧(バランテーズ) アンスクリプシオンの不死 ―― 『アンチ・オイディプス』に関する註
結論に代えて ―― 可視性と言表可能性、そして「賽の一擲」
引用文献一覧
略号一覧