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句集『光ひとり』

著:藤野 武

紙版

内容紹介

【掲載句より】
夜半(よわ)醒めて寒牡丹燃ゆ胸の浅瀬
夕蜩思いは生絹(すずし)のごとし遠し
ががんぼを言霊のように手で包む
日傘とう一瞬の光(かげ)君は病み
熟柿落つ自由というも危うくて
矢印の方へ人行く晩夏なり
蛇穴にゆるると古典的な所作
桐の実のやさしく拒否するとき揺れる
青麦のきらきらきらと物忘れ
老人ホームに虫ピンで止められし晩夏
霧の来て山わしづかむ我が胸も
空(から)の巣へ秋雲寄するばかりなり
うろうろふわふわ早春は白犬
鮎光り翳り言葉は古りゆけり
人よ癒えよ嬰の握りし夏の光
冬星鋭(と)し我ら流されて久し

著者略歴

著:藤野 武
藤野 武(ふじの・たけし)

一九四七年 東京都五日市町(現あきる野市)生まれ
一九八四年 「海程」入会、金子兜太に師事
一九九〇年 海程新人賞受賞
一九九二年 第三八回角川俳句賞受賞
一九九九年 「遊牧」に参加
二〇〇八年 海程賞受賞
二〇一八年 「海程」終刊、後継誌「海原」創刊に参加

現在「海原」「遊牧」同人、現代俳句協会会員
句集「気流」、「火蛾」、合同句集「海程新鋭集Ⅰ」

ISBN:9784752250159
出版社:飯塚書店
判型:4-6
ページ数:192ページ
価格:1500円(本体)
発行年月日:2021年09月
発売日:2021年09月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ