抑圧のアルゴリズム
検索エンジンは人種主義をいかに強化するか
著:サフィヤ・U・ノーブル
訳:大久保 彩
他解説:前田 春香
内容紹介
黒人女性をポルノとして表象し、偏見や差別を拡大させるグーグル検索。アルゴリズムはなぜ人種的・ジェンダー的不平等を再生産し続けるのか。批判的人種理論、フェミニズム理論、ジェンダー研究、情報科学などを横断しながら、テクノロジーの中立性・客観性を問いなおす。
目次
謝辞
はじめに――アルゴリズムの力
第1章 検索する社会
グーグル検索――前景化する人種主義と性差別
検索を理論化する――ブラック・フェミニズム的プロジェクト
グーグルの重要性
権力としての検索結果
システムを出し抜く――検索エンジン最適化と検索結果の流用
検索エンジンによる公有財産の囲い込み
検索におけるバイアス
人種・ジェンダー中立的なナラティブに異議を唱える
サイバートピアに異議を唱える
第2章 黒人の女の子を検索する
検索結果に責任を負うのは誰か?
検索エンジンにおける「黒人の女の子」のポルノ化はどのように起こるのか
新自由主義的市場における黒人性
商品としての黒人の女の子
人種アイデンティティの歴史的分類――古い伝統は死なない
ポルノ的表象を読み解く
黒人の女性・女の子についての正当な情報を提供する
何が見つかるかには大きな意味がある
第3章 人々とコミュニティのための検索
第4章 検索エンジンからの保護を求めて
「忘れられる権利」をめぐって
第5章 社会における知識の未来
「不法滞在外国人」再考
人々の分類がはらむ問題
人々の分類における誤表象の小史
リアリティの源としての検索
人々をめぐる情報に文脈をもたらす
文化的に状況づけられた情報をウェブで探す
情報テクノロジーによる社会関係の再生産
第6章 情報文化の未来
情報の独占
なぜ公共政策が重要なのか
機会の源としてのウェブ
社会的不平等はアプリでは解決しない
結論 抑圧のアルゴリズム
倫理的なアルゴリズムの未来に向けて
アルゴリズムと不可視性――カンディスへのインタビュー
オルタナティブを想像する――非商業的な公共検索に向けて
黒人の女の子はいまどこに?
エピローグ
解説 (前田春香/佐倉統)
原注
参考文献
索引
ISBN:9784750356860
。出版社:明石書店
。判型:4-6
。ページ数:344ページ
。価格:2800円(本体)
。発行年月日:2024年01月
。発売日:2024年02月02日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UD。