出版社を探す

ケースで学ぶ 司法犯罪心理学【第2版】

発達・福祉・コミュニティの視点から

著:熊上 崇

紙版

内容紹介

犯罪・非行の加害者・被害者の心理や少年法・刑法等の法的手続きの理解から心理的支援までを概説。特に、発達障害や虐待的環境等に起因する少年非行や刑事事件をはじめ、家事・民事分野における離婚、面会交流、養育費、親権等についてもケーススタディで取り上げ、より実証的な思考と理解を目指した一冊。
第2版では2022年の少年法改正の他、面会交流・共同親権問題を加筆修正した。

目次

 第2版によせて
 はじめに

理論編

第1章 少年・刑事事件
 1.犯罪心理学のアプローチ
 2.司法(Forensic)とは
 3.少年事件の手続き
 4.国内外の少年法制
 5.日本の少年法の歴史
 6.非行の原因は何か――コホート研究から
 7.日本の犯罪に関する統計
 8.少年非行と家庭環境
 9.少年非行と被虐待経験
 10.少年非行と知能
 11.少年非行と学習習得度
 12.少年非行とLD(学習症)
 13.少年非行とASD(自閉スペクトラム症)
 14.非行・犯罪の「予防」とは
 15.非行・犯罪をした人への「支援」とは
 16.高齢者と触法行為
 17.地域生活定着支援事業
 18.犯罪の防止は可能か
 19.治療的法学と司法福祉

第2章 家事・民事事件
 1.家事・民事事件からのアプローチ
 2.離婚の制度・法的諸問題
 3.面会交流
 4.裁判所命令による面会交流における子どもの心理
 5.親権
 6.子どものための面会交流
 7.養育費制度の諸問題
 8.子どもを育てるのは,親か社会か
 9.後見

第3章 心理アセスメントとチーム支援
 1.BPSモデル
 2.新幹線内殺傷事件をBPSモデルで考える
 3.さまざまな心理テスト
 4.長所活用型アセスメントと支援
 5.司法心理アセスメントの情報共有の問題
 6.心理アセスメントのフィードバック

ケース編

第4章 少年・刑事事件編
 ケース1 県営住宅の家賃が払えずに中学生の娘を殺してしまった母親のケース――千葉県銚子市~ソーシャル・サポートの理論と実際
 ケース2 祖父母を殺害した少年のケース――埼玉県川口市~虐待された子どもの心理と支援
 ケース3 親から放任されてぐ犯行為(家出)を繰り返す少年のケース――埼玉県寄居町の補導委託「寄居少年塾」
 ケース4 校内暴力を繰り返す中学生のケース――心理教育アセスメントを活用した長所活用型支援
 ケース5 元名大生による放火・薬物投与ケース――自閉スペクトラム症(ASD)の人による触法事件の理解(1)
 ケース6 福岡:少年院を仮退院した少年による殺人事件――刑事裁判で情状鑑定がなされたケース
 ケース7 鉄道マニアの少年の窃盗ケース――父母がASD傾向の自閉スペクトラム症(ASD)の人による触法事件の理解(2)
 ケース8 いじめを受けた中学生による校内での窃盗ケース――自閉スペクトラム症(ASD)の人による触法事件の理解(3)
 ケース研究特別編 神戸児童連続殺傷事件4つの手記から考える――少年Aの手記,母親の手記,被害者遺族の手記,担当裁判官の手記少年の精神鑑定とは,被害者学とは
 ケース9 家庭内暴力により少年院送致された少年のケース――地域生活定着支援とは

第5章 家事・民事事件編
 ケース10 別居している子どもに会いたい,歌手岩崎宏美さんのケース――親権と面会交流とは
 ケース11 別居親から子どもの養育費が送金されないケース――子育ては,親の責任か社会の責務か
 ケース12 高齢者を地域で支える市民後見人のケース――品川区における成年後見
 ケース13 子どもの意思を尊重する面会交流ケース――自閉スペクトラム症(ASD)を持つ子どもと家族
 ケース14 子どもへの虐待と児童福祉法28条ケース――発達障害のある子どもへの虐待と,家族への支援
 ケース15 ネグレクトにより貧困に陥った高校生のケース――社会資源とつなげるユースソーシャルワーカーの役割

終章 司法犯罪心理学とは何か? 生きづらさ,困難を抱える人々への支援とは Go to the people, Go to the community

 あとがき
 第2版あとがき
 著者略歴

著者略歴

著:熊上 崇
1970年生,立教大学文学部教育学科卒業後,家庭裁判所調査官として,札幌,いわき,東京,川越,横須賀で計19年勤務。その間,社会人大学院生として筑波大学大学院教育研究科リハビリテーションコース修了(修士:リハビリテーション),筑波大学大学院人間総合科学研究科生涯発達科学専攻修了(博士:リハビリテーション科学)。2010年日本LD学会研究奨励賞。
2013年4月より立教大学コミュニティ福祉学部助教,2018年4月より和光大学現代人間学部心理教育学科教授。専門は司法犯罪心理学,発達障害学。特別支援教育士スーパーヴァイザー,公認心理師。
【主な著書】
『発達障害を有する触法事例の心理・発達アセスメント』(単著,明石書店,2015),『長所活用型指導で子どもが変わる・part5――KABC-Ⅱを活用した社会生活の支援』(編著,藤田和弘監修,熊谷恵子,熊上崇,小林玄編著,2016,図書文化),『発達障害者の理解と支援』(分担執筆,梅永雄二編著,福村出版,2010),『日本版KABC-Ⅱによる解釈の進め方と実践事例』(分担執筆,藤田和弘ほか編,丸善出版,201…

ISBN:9784750356389
出版社:明石書店
判型:A5
ページ数:336ページ
価格:2500円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNF