出版社を探す

児童養護施設 鹿深の家の「ふつう」の子育て

人が育つために大切なこと

編:綱島 庸祐
編:川畑 隆
著:鹿深の家(代表:春田真樹)

紙版

内容紹介

養育者自身が「弱みを抱える一人の生身の人間」としてあり続けること──。子育てにおいて養育者が迷い、悩み、ときにネガティブな感情に翻弄されそうになりながらも、懸命に子どもたちと向き合おうとする、そのありのままの姿を、事例を通じて豊かに描き出す。

目次

 ごあいさつ[春田真樹]

序章 「ふつう」をキーワードにする理由[綱島庸祐]

第1章 児童養護施設・鹿深の家のこと[春田真樹/平野順久]

第2章 「うちの子」のことを担当ケアワーカーが語ります
 1 とらわれすぎず、ありのままで
 【事例A】私にあなたのお世話をさせて[洋子ケアワーカー]
 【事例B】子育てにマニュアルなんてなかったんだ!![恵子ケアワーカー]
 2 私の感覚を私が信じる
 【事例C】“嵐”の中で私がしていたことは[響子ケアワーカー]
 【事例D】可愛いと思えない…けれど[祐子ケアワーカー]
 3 違うでもなく、同じでもない存在として
 【事例E】裕二王国の法律改正に向けて[亮子ケアワーカー]
 【事例F】樹里は“自分の物語”を書き換えられるのか[雅子ケアワーカー]
 4 気持ちを込めて贈る
 【事例G】何でも買ってくれる両親と口うるさい職員[哲夫ケアワーカー]
 【事例H】黄色いワンピースに詰まっていたもの[郁雄心理士]

第3章 日々の暮らしを支えています─「周りの人たち」の眼差し
 1 子どもたちと生活する中で大切にしていること~施設内スーパーバイズの重要性~[堺稔]
 2 子どものために親にアプローチする~施設職員にできること~[石田一樹]
 3 アセスメントをめぐって~施設心理職として子どもたちに向ける眼差しの変遷~[綱島庸祐]
 4 愛情の意味をかみしめて~里親支援専門相談員として~[鍬本悟志]
 5 食育との出会い[宮川哲治]
 6 総務課から子どもの育ちを支える[奥村順子]
 7 発見を共に喜ぶ姿勢~用務員として~[奥村和博]

第4章 鹿深の家の子育てを外から眺める
 1 退園生・健さんとのお話 今だから話せる施設の暮らし
 2 退園生・蘭さんとのお話 当時の思い
 3 「かわいい」と思えるのはとても幸運なこと~産休・育休の経験から~[山本菜緒]

まとめにかえて[綱島庸祐]

コラム1 鹿深の家に期待すること[川畑隆]
コラム2 鹿深の家って?
コラム3 鹿深の家の職員について
コラム4 鹿深の家での生活
コラム5 職員インタビュー(1)
コラム6 職員インタビュー(2)
コラム7 職員インタビュー(3)

著者略歴

編:綱島 庸祐
1980年、京都府生まれ。2006年に鳴門教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了。適応指導教室、児童相談所での勤務を経て、2009年に児童養護施設鹿深の家に入職。2013年からは滋賀県スクールカウンセラーも兼務。臨床心理士、公認心理師。
編:川畑 隆
1954年に鹿児島市で生まれ、北九州市小倉区(当時)で育つ。同志社大学で心理学を学び、京都府の児童相談所に28年間勤務した後、京都先端科学大学(旧京都学園大学)で14年間、京都橘大学で2年間、心理学科の教員をつとめて退職。有志による「そだちと臨床研究会」所属。専門は児童福祉や教育分野等における対人援助。子ども家庭支援のいくつかの現場、学校関係などでの事例検討会や研修会にかかわっている。著書に『要保護児童対策地域協議会における子ども家庭の理解と支援─民生委員・児童委員、自治体職員のみなさんに伝えたいこと』(明石書店)などがある。臨床心理士。
著:鹿深の家(代表:春田真樹)
春田真樹(はるた・まさき)
1972年、岡山県生まれ。龍谷大学で児童福祉を学び、卒業後、1996年に滋賀県の児童養護施設鹿深の家へ入職。複雑な背景を持つ子どもやその家族への相談・支援を、行政機関・学校・地域関係者等と連携しながら実施してきた。2018年より児童養護施設鹿深の家施設長。その他にも現在、全国児童養護施設協議会協議員および「養育に関する特別委員会」副委員長、特定非営利活動法人NPO STARS副事務局長、滋賀県児童福祉施設協議会理事、甲賀市地域福祉計画審議会委員等を務めている。社会福祉士。

ISBN:9784750355900
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:288ページ
価格:1800円(本体)
発行年月日:2023年05月
発売日:2023年05月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS