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変容するアジアの家族

シンガポール、台湾、ネパール、スリランカの現場から

編著:田村 慶子
編著:佐野 麻由子

紙版

内容紹介

家族規範からの解放、生殖の重視から個人的幸福の追求(同性愛、妊娠中絶、離婚、婚外恋愛の許容)へのシフトという家族の変容は世界的にみられるが、公的財政支出を抑制するために性別役割分担を維持したアジアの特殊性である「家族主義」を考える。

目次

 刊行のご挨拶
 はじめに[田村慶子・佐野麻由子]

第1章 シンガポールの「疲弊する」家族と女性[田村慶子]

〈コラム1〉単なる補佐役ではなく運営の主体として――インドネシアのカカオ農園で働く女性たちから得た教訓

第2章 シンガポールの教育・子育てに関する政策と価値観――メリトクラシーとジェンダーの観点から[坂無淳]

〈コラム2〉娘の選択――結婚するか独身のままか

第3章 重い家庭の負担からの逃避――台湾の家族と女性[田村慶子]

〈コラム3〉台湾における外国人労働者と家族の変容
〈コラム4〉日本で働くフィリピン人女性家事労働者の(ディス)エンパワーメント

第4章 男児選好にみるネパールの家族の変容――階級別の分析からみえた経済発展下での個人化の兆し[佐野麻由子]

〈コラム5〉児童婚の根絶を

第5章 現代スリランカの家族の変容とジェンダー――障害者家族のケアの例から[古田弘子・鹿毛理恵]

〈コラム6〉パキスタンにおける児童婚・早婚

 おわりに[田村慶子・佐野麻由子・織田由紀子]
 著者紹介

著者略歴

編著:田村 慶子
北九州市立大学法学部教授(国際関係論、東南アジア地域研究)。九州大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。
主要業績:『多民族国家シンガポールの政治と言語――「消滅」した南洋大学の25年』(明石書店、2013年)、『マラッカ海峡――シンガポール、インドネシア、マレーシアの海峡を行く』(編著、北海道大学出版会、2018年)、『東南アジアと「LGBT」の政治』(共編著、明石書店、2021年)、『20世紀の東アジア史Ⅲ――各国史2(東南アジア)』(共著、東京大学出版会、2020年)
編著:佐野 麻由子
福岡県立大学人間社会学部准教授(国際社会学、ネパール地域研究)。立教大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。
主要業績:『開発社会学を学ぶための60冊――援助と発展を根本から考えよう』(共編著、明石書店、2015年)、「『それでも息子が欲しい』?――ネパールにみる過渡期的発展と男児選好の未来」山田真茂留編『グローバル現代社会論』(文眞堂、2018年)、「途上社会の貧困、開発、公正」宮島喬他編『国際社会学』(有斐閣、2015年)、「開発・発展におけるジェンダーと公正――潜在能力アプローチから」宮島喬他編『公正な社会とは――教育、ジェンダー、エスニシティの視点から』(人文書院、2012年)

ISBN:9784750353685
出版社:明石書店
判型:A5
ページ数:180ページ
価格:2800円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年04月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB