教育のワールドクラス
21世紀の学校システムをつくる
著:アンドレアス・シュライヒャー
編:経済協力開発機構(OECD)
他監:ベネッセコーポレーション
内容紹介
テクノロジーの進歩やグローバル化の進展により、教育や学習をめぐる環境も大きく変化しようとしている。OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の創始者であり今なお世界の教育改革に向けて奮闘する著者が、長年にわたる国際調査から得られたエビデンスに基づいて、21世紀に向けた新たな学校システムを探究する。
目次
日本語版刊行によせて
謝辞
第1章 科学者の視点から見た教育
はじめに
1 アートから科学へ
2 PISAの始まり
3 現状肯定に終止符を打つ「PISAショック」
政治的怠慢のコストの上昇
4 危機に瀕していること
個人や国にとっての教育とウェルビーイング
過去に学ぶのではなく、子どもたちの将来のために備える
インスピレーションを求めて
第2章 幾つかの神話を暴く
はじめに
1 貧しい子どもは成績が悪い。これは運命なのか
2 移民は学校システムのパフォーマンスを低下させるのか
3 より多くのお金を使えば教育は成功するのか
4 クラス規模が小さいほど成績が良くなるのか
5 学習時間が多いほど成績が良くなるのか
6 持って生まれた才能で教育の成功が決まるのか
7 文化的背景は教育に大きな影響を及ぼすのか
8 成績の良い生徒が将来教員になるべきか
9 能力別クラスで成績が良くなるのか
第3章 優れた学校システムは何が違うのか
1 成功した学校システムとは
2 教育を優先する
3 全ての生徒が学び、高い水準に達することができると信じる
4 高い期待を示し、その意味を明確にする
資格取得のためのテスト
カリキュラム設計のためのテスト
5 質の高い教員を採用し定着させる
質の高い教員を引きつける
質の高い教員を育てる
教員のスキルをアップデートする
6 独立した責任ある専門家としての教員
7 教員の時間を最大限に生かす
広島で体験した創造的な学び
8 教員、生徒、保護者を一つにする
生徒のウェルビーイングに焦点を当てる
9 有能な教育リーダーを育てる
10 学校の自律性を適切にする
11 管理から職業的な説明責任体制へ
信頼の重要性
誰が彼女を素晴らしい教員と呼ぶか?
責任を取る、……どこが?
12 一貫したメッセージを示す
シンガポールを端的に語る
13 より多くではなく、より賢く支出する
14 成績上位5か国の教育システムのスナップショット
シンガポール
エストニア
カナダ
フィンランド
上海
第4章 なぜ教育の公平性はわかりにくいのか
はじめに
包摂的な社会進歩に向けて
1 機会均等をめぐる闘い
リソースとニーズの適合
生徒自身が選び、決めるということ
2 より公平なシステムを作るための政策
フランスの舞踏会からの招待
ニュージーランドの多様性とパートナーシップの素晴らしさ
保護者を巻き込む
3 学校選択と公平性の両立
香港の教育改革
ベルギーのフランドル地方の学校選択
オランダの学校間および学校内部の多様性
学校選択
公立、私立、官民連携
バウチャーの難しさ
4 大都市、大きな教育機会
5 移民の子どもたちへの支援
6 根強く残るジェンダーギャップ
7 教育と過激主義の闘い
「グローバル・コンピテンシー」が意味するもの
建設的な議論の場としての学校
第5章 教育改革の実現
1 なぜ教育改革はこんなにも難しいのか
2 改革の成功に必要なこと
3 「正しい」アプローチの多様性
4 進むべき方向を定める
5 合意形成
6 教育改革に教員が参加する意味
7 試行プロジェクトと継続的な評価
8 システム内の能力開発
9 タイミングが全て
10 教員組合と共に改革する
第6章 今何をするか
1 不確実な世界のための教育
2 差別化要因としての教育
3 加速する時代で知識、スキル、人間性を育てる
点と点を結ぶ
情報の批判的な消費者であることを学ぶ
他者との協同
4 価値観を教育でどうとらえるか
5 成功した学校システムの変貌
6 タイプの異なる学習者
7 21世紀の教員
教員への高い期待、ますます高まる期待
教育を支えるデジタルテクノロジー
共有する文化へ
専門性を獲得する
8 学校内外のイノベーションを促進する
9 効果的なシステム・リーダーシップの育成
10 評価の再設計
PISAはどう進化していくか
11 前進しながら外部を見渡す
参考文献・資料
監訳者あとがき
ISBN:9784750348902
。出版社:明石書店
。判型:A5
。ページ数:352ページ
。価格:3000円(本体)
。発行年月日:2019年09月
。発売日:2019年09月05日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN。