幼児教育と「こども環境」
豊かな発達と保育の環境
編著:氏原 陽子
編著:倉賀野 志郎
編著:くしろせんもん学校・幼児の『環境』研究グループ
内容紹介
子どもの学び・発達の芽は、環境への関わりや具体的な体験で生まれ、物理的・人的環境に影響される。本書は、全国でも珍しい「こども環境科」を持つくしろせんもん学校の実践と理論を元に、幼児教育における環境の重要性についてまとめた書籍である。
目次
はじめに
第Ⅰ部 私たちが捉える環境と教育
第1章 環境の捉え方[倉賀野志郎]
1.環境に対する基本的な考え方
2.働きかけと環境像との相互深化と発達
第2章 私たちの視点からの幼稚園教育要領と「環境」[氏原陽子]
1.持続可能な社会の創り手
2.幼児期の特性を生かした環境を通しての教育
3.幼稚園教育において育みたい資質・能力及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」
4.領域「環境」
5.カリキュラム・マネジメントからみた環境
6.特別な配慮を必要とする幼児への指導からみた環境
第3章 子どもの発達と環境[福岡真理子]
1.胎児も「世界」を捉えている――胎児期の「環境」と発達
2.働きかけることにより身の周りの環境が広がっていく――新生児の環境と発達
3.働きかけ・働きかけられる中で「環境」と共に「自分」も深め広げていく――乳児期の「環境」と発達
第4章 幼児期における、自分と環境との向きあい[倉賀野志郎]
1.発達段階での、自分の思い・想いのズレとの向きあい
2.発達段階に対応するズレ・葛藤・マチガイ・誤謬等のそれぞれの深化
3.異なる・多様とを練り合わせる
第Ⅱ部 自己と親からみた環境
第5章 自己からみた環境――子どもをめぐる社会問題[氏原陽子]
1.低い自己肯定感・自尊感情
2.親子関係
3.ジェンダーからみた自己
第6章 親からみた環境――教育相談、子育て支援の学びを深める学生たちから[田仲京子]
1.親の考える環境像を捉えるために
2.親が捉える環境像を学ぶ意味――子どもと保護者を取り巻く社会状況
3.環境像を解き明かすためには相互のコミュニケーション、相談援助の理論、そして技術が必要
4.実践的な相談事例から考える――K市子育て支援拠点センターの相談例と来所理由から
5.環境像の中核に位置する葛藤・悩み、そして、その子育て支援――K市子育て支援拠点センターを一つの典型例として
6.まとめ
第Ⅲ部 おもちゃ・ものづくり
第7章 保育環境の一つとしての遊びとおもちゃ[高橋由紀雄]
1.遊びは子どもの発達に欠かせない
2.おもちゃでの遊びを通して獲得するもの
3.おもちゃのおおまかな分類
4.おもちゃの効用と手作りおもちゃ
5.おもちゃを作る「手作り」ということについて
6.手作りおもちゃ実践例
7.手作りおもちゃの完成とは
第8章 幼児でのものづくりから小学校へ[倉賀野志郎]
1.幼児期の感性・体験感覚から、根拠・法則性を探る
2.身の周りの野菜や果物のタネを出発点として
3.1年間の生活リズムから伝統・行事を考える
4.生活での言葉から数量感覚を考える
第Ⅳ部 環境を学ぶ・創る
第9章 幼児の環境づくりを学ぶカリキュラム――こども環境科の環境に対する視点を踏まえてのカリキュラム[氏原陽子]
1.くしろせんもん学校のカリキュラムの大枠
2.実習を中核としての各セクションの位置づけ
第10章 教えと学びとをつなぐ――双方向の授業展開でのICT活用[計良洋美]
はじめに
1.学生の現状
2.とりわけICT活用の現状
3.2017年度の実践
4.実践の成果と課題
おわりに