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エリア・スタディーズ 44

アイルランドを知るための70章

第3版

編著:海老島 均
編著:山下 理恵子

紙版

内容紹介

美しい自然とケルトの文化に彩られたエメラルドの島、アイルランド。神話や妖精の物語、豊かな文学や音楽の伝統だけでなく、グローバル社会のなかでの発展と多様化にも焦点を当てる。経済発展と移民の流入で社会構造が変わりつつあるこの国のいまを紹介する。

目次

 はじめに

Ⅰ 風土

第1章 個性豊かな地域の特色――カウンティ豆知識
第2章 移り気な天候――寒くて、雨ばかり?
第3章 豊かな自然と文化――世界遺産を巡る
第4章 素敵な都――ダブリン、フェアシティ
第5章 首都を満喫する――ダブリンの人気スポット
第6章 旅人が惹かれるエメラルドの島――恵まれた観光資源

Ⅱ 歴史

第7章 ケルトの再考――アイルランド人はどこから来たのか
第8章 聖者と学者の島――キリスト教の普及
第9章 北欧からの侵入者――ヴァイキングの時代
第10章 イングランドによる支配の始まり――クロムウェルのアイルランド征服
第11章 連合王国の成立――英国植民地のモデル
第12章 人口激減の引き金――ジャガイモ飢饉
第13章 海を越えたアイルランド人――移民
第14章 独立への流れ――ユナイテッド・アイリッシュメンからフィーニアンへ
第15章 自由への戦い――アイルランド独立戦争
第16章 カトリック国家の成立――新生アイルランド
第17章 英国との合同か、アイルランド統一か――北アイルランド紛争

Ⅲ 政治・経済

第18章 好景気にわいた時代――「ケルティック・タイガー」とは何であったか
第19章 ポスト・ケルティック・タイガー――2011年の政治的混乱
第20章 国の「かたち」をめぐる対立と協調――南北の政治体制
第21章 欧州に生きるアイルランド――EUとユーロ
第22章 ブレグジットとアイルランド国境問題――対立か協調か

Ⅳ 社会

第23章 女性の地位向上のための戦い――女性の社会進出
第24章 カトリックのモラルと女性――離婚、中絶、避妊、婚外子
  【コラム1】教会の影響力と宗教の遺産
第25章 貧困との戦い――格差は減っているのか
第26章 7000万人のアイルランド人――アイリッシュ・ディアスポラ
第27章 移民の国の新たなかたち――アイルランドをめざす外国人
第28章 将来に対する大きな投資――教育重視の政策
第29章 学校と地域が共存する活動の場――学校とスポーツ
  【コラム2】北アイルランドの教育事情
第30章 優秀な人材を育てる――質の高い大学教育
第31章 めざすは「医療・介護統合」モデルの充実――南北の医療制度
第32章 共感から対立へ――戦前の日愛関係
第33章 新たな関係の構築――戦後の日愛関係

Ⅴ 日常生活

第34章 働くためだけに生きているわけじゃない――データでみる仕事観
第35章 教会の鐘は鳴らない――晩婚化する社会の実情
第36章 子どもの笑う声が響く国づくり――少子化でも楽しく子育て
第37章 加速する高齢化社会――豊かな老後を送るために
第38章 家族と過ごす休暇――伝統的な祝いごと
  【コラム3】ハロウィンはケルトが起源?
第39章 スポーツで健康増進――余暇の身体活動
第40章 独立運動のなかで役割を果たしたGAA――国民的な伝統スポーツ
第41章 エリートの象徴としてのスポーツ――ラグビー、クリケット、テニス
第42章 南北の対立を乗り越える希望の光――人気の高いサッカー
第43章 お酒を飲む人も、飲まない人も――社交の場としてのパブ
第44章 家庭的なおもてなし――B&B滞在でアイルランドを知る
第45章 ジャガイモ王国の変化――伝統料理と最近の肥満傾向

Ⅵ アイルランドの象徴

第46章 国の花といわれる植物――シャムロック
第47章 正式な国章――ハープ
第48章 国民的ブランド――ギネス
第49章 広く知られる国の色――緑色
第50章 ケルト的装飾――ケルトデザインとハイクロス
第51章 アイルランド的なアクセサリー――ターラブローチとクラダリング

Ⅶ 言語・文学・メディア

第52章 英語の200年、アイルランド語の1500年――アイルランド文学史
第53章 アイルランドから世界へ――ノーベル文学賞詩人イェイツとヒーニー
第54章 もう一つの世界へのまなざし――文学の力
第55章 物語の秘める真実――語りの文化としてのフォークロア
  【コラム4】アイルランド神話の現在
第56章 劇場からみえる伝統――英国演劇と国民演劇
第57章 舞台が語る過去・現在・未来――演劇とアイルランド史
第58章 日本とアイルランドが出逢う舞台――ウィリアム・バトラー・イェイツと能狂言
第59章 世界的な広がりをみせる映画産業――アイルランドの映画
第60章 国際競争にもまれ続けて45年――大きな転換期を迎えたテレビ
  【コラム5】ラフカディオ・ハーンとアイルランド
第61章 公用語はアイルランド語――アイルランド語の未来

Ⅷ 音楽とダンス

第62章 音楽から探るアイルランド人の世界観――アイルランド音楽の音階
第63章 グレート・キャラクター――アイルランド音楽の構造
第64章 酔っぱらうと弾けないヴァイオリン?――アイルランドの楽器
第65章 Poor People――アイルランドの音楽を支える人びと
第66章 伝統音楽ブームの火付け役――ミュージック・ビジネス
第67章 歌は世につれ――ポップ・ミュージック
  【コラム6】セント・パトリックス・デイの祝い
第68章 旅するダンシング・マスター――アイリッシュ・ダンスの起源
第69章 ゲーリック・リーグによる脱英国化――アイリッシュ・ダンスの創造
第70章 グローバル化するダンス――アイリッシュ・ダンスの変貌

 おわりに
 アイルランドを知るための文献・情報ガイド

著者略歴

編著:海老島 均
成城大学経済学部教授。スポーツ社会学。主な著作に『現代スポーツのパースペクティブ』(共著、大修館書店、2006)、Japan, Sport and Society: Tradition and Change in a Globalizing World (共著, Routledge, 2006)、The Changing Face of Rugby: The Union Game and Professionalism since 1995(共著, Cambridge Scholar Publishing, 2008)など。
編著:山下 理恵子
成城大学他非常勤講師。ライター、翻訳業。言語文化博士号取得。主な著作に『アイリッシュ・ダンスへの招待』(共著、音楽之友社、2002)、『アイルランド――パブとギネスと音楽と』(共著、トラベルジャーナル、1998)、『アイルランドでダンスに夢中』(東京書籍、1998)、訳書に『アンディ・サマーズ自伝――ポリス全調書』(ブルース・インターアクションズ、2007)など。

ISBN:9784750348179
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:372ページ
価格:2000円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB