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世界歴史叢書

ロシア正教古儀式派の歴史と文化

編著:阪本 秀昭
編著:中澤 敦夫

紙版

内容紹介

17世紀半ばのロシア正教の教会改革による宗教分裂は、ロシア社会と国民精神の分裂をもたらし「古儀式派」と呼ばれる分派を生み出した。ロシア理解はそれへの深い認識なしには不可能といってよい。本書は古儀式派に関する初めての概説書。

目次

序言 日本古儀式派研究会はいかにして成立したか〔中村喜和〕

 はじめに〔阪本秀昭〕

第一部 古儀式派の発生とその歴史

第一章 中世ロシアの精神史における古儀式派――中世ロシアにおける権力と宗教のダイナミズム
第二章 ニーコンの改革と「古儀式派」の発生
第三章 無司祭派の分立
第四章 司祭派の展開
第五章 古儀式派とコサック――民衆運動の源泉

第二部 古儀式派とロシア・ソ連の社会

第六章 古儀式派教徒の禁欲主義とその経済活動
第七章 レーニンと古儀式派
第八章 「男らしい」聖女と従順な母――古儀式派における婚姻とジェンダー

第三部 アジアの古儀式派教徒――越境・移住・定住

第九章 南シベリアの古儀式派教徒セメイスキー
第一〇章 礼拝堂派の形成と満洲移住
第一一章 中国の古儀式派教徒と南北米、オセアニアへの移住

第四部 古儀式派周辺のキリスト教各宗派

第一二章 ルーシの正教会の二つの教会分裂――合同教会と古儀式派
第一三章 古儀式派とセクト

第五部 ロシア文学、ロシア文化と古儀式派

第一四章 ロシア文学の中の古儀式派(一九世紀を中心に)
第一五章 古儀式派のイコンについて
第一六章 古儀式派の文学とその伝統

 おわりに〔中澤敦夫〕

 図版出典一覧
 帝政期古儀式派系主要財閥
 ロシア正教古儀式派関連年表
 無司祭派の系譜
 司祭派の系譜
 索引

著者略歴

編著:阪本 秀昭
1948年生まれ。天理大学名誉教授。ロシア・シベリア近現代史。著書に『帝政末期シベリアの農村共同体―農村自治・労働・祝祭―』(ミネルヴァ書房、1998年)、『旧「満州」ロシア人村の人々―ロマノフカ村の古儀式派教徒―』(共著、東洋書店、2007年)、『ロシアの祭り―民衆文化と政治権力―』(東洋書店、2009年)がある。編著に『満洲におけるロシア人の社会と生活―日本人との接触と交流―』(ミネルヴァ書房、2013年)がある。論文に「正教古儀式派の禁欲主義と勤労原理に関する考察―ユダヤ教およびプロテスタンティズムとの比較から―」『アリーナ』(中部大学、第20号、2017年)、「古儀式派教徒の信仰と生活―西ウクライナとロシア極東の比較―」『アリーナ』(第20号)など。
編著:中澤 敦夫
1954年生まれ。富山大学人文学部教授。中世ロシア文学、文化史。著書に『ロシアはどこからやって来たか』(新潟日報事業社、2002年)、Рукописание Магнуша; Исследование и тексты. СПб.: Дмитрий Буланин 2004. 『ロシア古文鑑賞ハンドブック』(群像社、2011年)などがある。論文に「ニコライ・カラムジンの歴史叙述における〈広い心〉について」(富山大学人文学部紀要、2013年)、「『イパーチイ年代記』翻訳と注釈」(1)~(9)(富山大学人文学部紀要、2014~2018年)など。翻訳にアローン・グレーヴィチ著『同時代人の見た中世ヨーロッパ』(平凡社、1995年)など。

ISBN:9784750347868
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:468ページ
価格:5500円(本体)
発行年月日:2019年01月
発売日:2019年01月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRMB