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明石ライブラリー 165

ヴィゴツキー評伝

その生涯と創造の軌跡

著:広瀬 信雄

紙版

内容紹介

ソビエト・スターリン時代、抑圧されながらも世界で初めて「教育心理学」を打ち立て、その後の障害児教育の理論と実践を方向付けたヴィゴツキー。その思想と生涯をベラルーシ・ゴメリ、レニングラード、モスクワと活動地を辿り、家族や同僚のエピソードを交えながら壮大なスケールで描く。

目次

 まえがき
 ベラルーシ地図

第Ⅰ章 故郷ベラルーシの日々
 1 草原を馬で駆けた少年
 2 田舎町オルシャからゴメリへ
 3 ヴィゴツキー家の人々
 4 アシピス先生の教育
 5 ギムナジウムでの学び
 6 「ユダヤ人であること」
 7 青年ヴィゴツキーの夢と世界観

第Ⅱ章 大学時代
 1 二つの大学
 2 二つの都市

第Ⅲ章 芸術心理学への歩み
 1 読者批評ノートから卒論へ
 2 再びゴメリへ、革命・内戦・そして病
 3 キエフ、出会いと別れ
 4 ヴィゴツキーの「ゴメリ症候群」的な仕事
 5 演劇文化活動
 6 出版文化活動

第Ⅳ章 教育心理学への道
 1 ブロンスキー教授との出会い
 2 ゴメリでの教職経験
 3 ゴメリから全ロシア会議へ
 4 再会の町モスクワ
 5 『教育心理学』と『芸術心理学』の刊行

第Ⅴ章 欠陥学を心理学の光に
 1 自ら望んだ障害児教育担当
 2 ロンドン旅行の写真
 3 欠陥学の実践と心理学思想そして闘病

第Ⅵ章 心理学の危機
 1 『心理学的危機の歴史的意味』
 2 「文化・歴史理論」

第Ⅶ章 回想のヴィゴツキー
 1 ヴィゴツキーに会った日本人
 2 娘から見た父ヴィゴツキー
 3 家族、仲間たち、研究交流

第Ⅷ章 生命尽きてなお
 1 最後の日々
 2 心理学の世界遺産『思考と言語』
 3 ヴィゴツキーとその時代
 4 子どもの行動とことば(心理学の宇宙)
 5 もう一つの都市ハリコフ
 6 ヴィゴツキー・ルネッサンス
 7 永遠のヴィゴツキー

 あとがき
 参考文献
 索引

著者略歴

著:広瀬 信雄
長野県生まれ。京都教育大学卒業、東京学芸大学大学院修了後、筑波大学附属桐が丘養護学校、秋田大学教育学部附属養護学校を経て、1989年より山梨大学に移る。山梨大学教授(1996-現在)。1988年モスクワ大学に短期留学。2009-2012年山梨大学教育人間科学部附属特別支援学校長。2012-2015年山梨大学教育人間科学部副学部長。2017年4月より山梨大学教育学域教育学系長。
主な訳書は、ヴィゴツキー『新訳 子どもの想像力と剏造』(訳、新読書社、2002)、ヴィゴツキー『子どもの心はつくられる――ヴィゴツキーの心理学講義』(訳、新読書社、2003)、レオンチェフ『ヴィゴツキーの生涯』(訳、新読書社、2003)、ペトルニク『心の専門医が語る子育て・納得のアドバイス』(監訳、新読書社、2006)、スコロホードワ『もう一人の奇跡の人――「オリガ・I・スコロホードワ」の生涯』(編訳著、新読書社、2012)、サカリャンスキー『盲ろう児教育のパイオニア・サカリャンスキーの記録』(編訳、文芸社、2014)、イーゴリ・レイフ『天才心理学者ヴィゴツキーの思想と運命』(訳、ミネルヴァ書房、201…

ISBN:9784750347103
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:244ページ
価格:2700円(本体)
発行年月日:2018年08月
発売日:2018年09月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB