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早稲田大学学術叢書 38

アリストテレスの存在論

著:岩田 圭一

紙版

内容紹介

ウーシアー(実体)とは何か。その答えと考えられる「本質」「形相」「現実態」について理解を深め、ウーシアーを中心に据える存在論がいかなるものか明らかにする。アリストテレス研究の俊英による待望の書。

目次

 序

第1部 実体の問題
 第1章 実体と属性
  はじめに
  第1節 名に基づく事物の分類
  第2節 述語づけと内属性による〈あるもの〉の分類
  第3節 個体属性の問題
   1 個体属性の基体
   2 個体属性の身分
  第4節 個体実体の優位性
  おわりに
 第2章 実体と付帯性
  はじめに
  第1節 付帯性と基体
  第2節 カテゴリーと〈あるもの〉
  第3節 第一義的な〈あるもの〉としての実体
  第4節 実体の離在可能性
  おわりに
 第3章 実体と本質
  はじめに
  第1節 実体と〈実体〉
  第2節 本質としての〈実体〉
   1 「本質」概念の規定(A)
   2 「本質」概念の規定(B)
   3 本質をもつもの
  第3節 実体と本質の同一性
  おわりに

第2部 質料と形相
 第4章 生成と質料
  はじめに
  第1節 生成一般と基体
  第2節 実体的生成と質料
   1 実体的生成と属性的生成
   2 実体的生成の基体(A)
   3 実体的生成の基体(B) 
  第3節 可能的に〈あるもの〉としての質料
   1 運動の定義と循環の問題
   2 「現実態」と「可能的に〈あるもの〉」
  おわりに
 第5章 定義と質料
  はじめに
  第1節 全体の説明方式と部分の説明方式
  第2節 説明方式と形相
  第3節 形相と普遍的な結合体
  第4節 結合体の部分としての質料
  第5節 「実体と本質の同一性」再考
  おわりに
 第6章 存在と形相
  はじめに
  第1節 生成と構成
  第2節 原因としての〈実体〉
   1 原因としての形相
   2 形相の〈実体〉性
  第3節 現実態としての形相
   1 差異の多様性と「ある」の多義性
   2 差異と〈実体〉との類比
  おわりに
 第7章 結合体の一性
  はじめに
  第1節 一性の問題
  第2節 結合体の一性と存在
  第3節 「可能態―現実態」による問題解決
  おわりに
 
第3部 普遍の問題
 第8章 普遍と形相
  はじめに
  第1節 Ζ巻第十三章の前提
  第2節 固有性の議論
  第3節 個別的な形相と普遍的な形相
  第4節 プラトン主義者による反論
  第5節 アリストテレスによる再反論
  おわりに
 第9章 定義と形相
  はじめに
  第1節 〈実体〉の定義不可能性の問題
  第2節 イデアとしての類
  第3節 エイドスの定義不可能性
  第4節 エイドスと形相
  おわりに

第4部 可能態と現実態
 第10章 第一義的なデュナミス
  はじめに
  第1節 能動的能力の規定
  第2節 能動的能力の区別
  第3節 メガラ派の見解
  第4節 メガラ派批判における能動的能力
  おわりに
 第11章 能力と可能性
  はじめに
  第1節 運動否定の不合理
  第2節 能力から可能性へ
  第3節 可能なものと不可能なもの
  おわりに
 第12章 質料と可能態
  はじめに
  第1節 質料の実体性
  第2節 質料の階層と「第一質料」の問題
  第3節 対立的性質と質料との関係
  第4節 質料を基体とする円環の構造
  第5節 質料の階層と「可能態」の厳密な用法
  おわりに
 第13章 エネルゲイアとエンテレケイア
  はじめに
  第1節 現実態の優先性の提示
  第2節 時間における優先性
   1 現実態の時間的優先性
   2 活動の時間的優先性
  第3節 実体における優先性
   1 現実態の実体的優先性(1)――十全性の観点から
   2 現実態の実体的優先性(2)――目的論の観点から
  第4節 エネルゲイアとエンテレケイアの合一点
  おわりに
 第14章 現実態としての魂
  はじめに
  第1節 魂の一般的定義の前提
  第2節 魂の一般的定義
  第3節 本質としての魂
  第4節 魂の一性
  おわりに

 結語 本質・形相・現実態

  あとがき
  文献一覧
  出典索引
  事項索引
  英文要旨

著者略歴

著:岩田 圭一
早稲田大学文学学術院教授

ISBN:9784657157027
出版社:早稲田大学出版部
判型:A5
ページ数:486ページ
定価:8300円(本体)
発行年月日:2015年04月
発売日:2015年04月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDHA