世界をカエル 10代からの羅針盤
笑いの力、言葉の力
井上ひさしのバトンを受け継ぐ
著:渡邉文幸
絵:マット和子
紙版
内容紹介
「ひょっこりひょうたん島」「吉里吉里人」「父と暮らせば」などで知られる井上ひさしは、芝居、小説、随筆、コント集など多彩な創作活動を続け、多くの人に笑いと生きる力を与えました。その創作の核には、自身の生い立ちから自律に到る道のりを通して生涯考え続けた、言葉の力、一人ひとりの幸福、笑いの力への信頼がありました。父親からのバトンを受け継ぐ思いで75年の生涯を駆けぬけた井上ひさしの作品をひもとき、次世代へ大事なメッセージを探ります。
目次
はじめに/第一章 ぼくの原点/アルカディア/父の志/ユニークな母/国民学校/小松座とサーカス/赤いキャンディー/自爆訓練/第二章 言葉とユートピア/言葉の力/喜劇の意味/賢治に出会う/思い残し切符/ユートピア共同体/演劇のユートピア/第三章 戦争にみたもの/松の根掘り/学童疎開/下町の暮らし/変わる世の中/ヤミ米/戦争孤児/東京裁判/あの戦争とは/ヒロシマとナガサキ/日所を守る/本と野球と映画/第四章 小松を離れて/井上組/光ケ丘天使園/言葉使い/夕方の光景/馬の匂い/第五章 物語づけ/自由な学校/映画の毎日/至福の時/白い手の神父/「鉄と魚」の町/母の屋台/第六章 笑いをつくる/新鮮なムダ/戯作者として/生と死をみつめて/餓島帰りの所長/リーチ先生/浅草フランス座/「にふうさん」/チェーホフの笑い/第七章 信じて走れ/倉庫番/放送作家になる/『ひょっこりひょうたん島』/こまつ座旗上げ/行動する作家/多喜二と父と/特別附録・井上ユリさんに聞く/年譜/おわりに