少年時代
飛行機雲はるか
著:塩野米松
絵:松岡達英
紙版
内容紹介
昭和30年代の東北の町に暮らす少年たちの躍動感に満ちた一年間を描く。小学五年の明夫は友人と「三銃士」を結成し互いの忠義を誓う。そんな矢先、川遊び場を巡って隣町の子供会との争いが起き、町内のリーダーである中学生のもと決戦の準備が始まる……。初夏の決戦、夏の川遊び、秋の祭り、冬の砦の解体とリーダー交代……。小学生から中学生までの地域の子ども集団が生き生きと輝きを放っていた最後の世代に立ち会ってしまった著者による渾身の記録少年文学。
梨木香歩・解説「継承されていく大将の器─日本の路地に、走り回る子どもたちがいた頃ー」収録。
目次
春/三銃士/問答無用/秀治が捕まった!/決闘の日はいつ?/記録係/武者修行/秘剣/アオタンの丹下左膳/大きな不安/戦い前の休日/十べえ止めの決戦/火ぶたは切られた/最後の大将戦 /夏/書けない手紙/鰐淵探検隊/十ベエ止めの主/大雨の後/主の正体/転校生が来た/また決闘?/弾が飛び交う /秋/釣り竿か、バットか/応援団/ロボット事件/敵討ち/大将の刀/鍋っこの申し入れ/最後の試合/毒をもられた? /冬/女王の死/もう一人の客/その日/ゆずり渡し/飛行機雲はるか /解説 継承されていく大将の器──日本の路地に、走り回る子どもたちがいた頃(梨木香歩)