歴史文化ライブラリー 341(オンデマンド版)
〈身売り〉の日本史
人身売買から年季奉公へ
著:下重 清
紙版
内容紹介
親の借金のため、「イエ」のため、娘が泣く泣く遊女に売られていく…。性別や年齢を問わない人身売買を意味した「身売り」は、いつから女性だけのものとなったのか。中世の人買い船、戦国の「人取り」、江戸時代の人身売買禁止令を分析し、「遊女に売る」から「遊女奉公へ出す」へと人びとの認識が変わってゆく過程と社会の本質をえぐり出す。
目次
弱者が人身取引の犠牲になる―プロローグ/人身売買と「人売り買い」(時代を分けている人身売買禁止令/奴婢と勾引売り/生き延びるための「人倫売買」/作品に見える身売り/ものとして扱われた人びと)/戦国の人売り買い(戦場での「人取り」/「乱妨」「人取り」の輸出/戦国大名が禁止した「人の売り買い」/奴隷貿易を禁止できなかった秀吉)以下細目略/「奉公人」から年季奉公人へ/身売りの変性/生き残る身売り/身売りは江戸時代の代名詞―エピローグ