中世日本の外交と禅宗
著:伊藤 幸司
紙版
内容紹介
中世後期、禅僧は日本と東アジアにおいて広範な交流を行なっていた。外交使節として実際に渡海し通交貿易を担った禅僧を、「門派」の視角から考証。対外交流の拠点であった博多や堺で展開する禅宗勢力の変遷を視野に入れ、その特徴を追究。彼らを活用せざるをえない室町幕府の外交姿勢にもふれ、当該期の国際交流のあり方と禅宗勢力の実態を解き明かす。
目次
中世対外関係史研究における禅宗の視角/第一部=室町幕府の外交と禅宗(室町幕府の日明貿易と禅宗勢力―堺における東福寺聖一派と取龍首座―/室町幕府の外交と夢窓派華蔵門派―「日本国王使」の外交僧をめぐって―/臨済宗大応派の動向と室町幕府の外交姿勢―京都の宗金と博多の宗金をめぐって―)/第二部=地域権力の外交と禅宗(大内氏の外交と博多聖福寺/大内氏の外交と東福寺聖一派寺院―博多承天寺・長府長福寺・赤間関永福寺―/地域権力の外交文書起草と禅僧/大内氏の日明貿易と堺)/第三部=中世末期の外交と禅僧(日琉間交流と禅僧―