中近世の蝦夷地と北方交易
アイヌ文化と内国化
著:関根 達人
紙版
内容紹介
未解明であった中近世の蝦夷地の人々とその社会について、考古学と文献史学の双方から解明する。北海道・カラフト・千島へ和人はいつどのような形で進出したか、和人や日本製品の進出がアイヌ文化の形成と変容に与えた影響と、蝦夷地の「内国化」の過程を具体的に論じる。アイヌと和人の両者に光を当て、「蝦夷地史」を新たに提唱する画期的な成果。
目次
序章 北方史とアイヌ文化/北方交易に関する考古学的研究(アイヌ文化成立以前の北方交易―北日本出土の鋺をめぐって/考古資料からみたアイヌ文化の成立/アイヌの宝物とツクナイ/副葬品からみたアイヌ文化の変容/シベチャリ出土の遺物/タマサイ・ガラス玉に関する基礎的研究)/本州アイヌの実像(考古学的痕跡/生業・習俗と北奥社会/狩猟と漁撈)/和人の北方進出と蝦夷地の内国化(道南和人館とその時代/北海道島における中世陶磁器の流通/近世陶磁器からみた蝦夷地の内国化/石造物からみた蝦夷地の内国化/松前三湊の墓石と人口動態)以下細目略/カラフト(サハリン)島への和人の進出/終章 蝦夷地史の構築を目指して