戊辰戦争と草莽の志士
切り捨てられた者たちの軌跡
著:髙木 俊輔
紙版
内容紹介
明治維新の変革を目指し、地方・地域を背景に活動した、いわゆる草莽の志士たち。諸抗争の過程で敗北し、排除され、抑圧された在野の志士に焦点を当て、彼らが何を考え、何を契機に決起し、どのような運命をたどったのかなどを明らかにする。新政権の樹立をなしとげた一握りの勝者からだけでは描ききれない、戊辰戦争のもう一つの側面に迫る。
目次
まえがき/Ⅰ 明治維新の志士(幕末志士の二類型/草莽の志士の運動の諸段階)/Ⅱ 戊辰前夜の草莽の志士とその隊(西国における王政復古後の草莽の志士とその隊〈北九州花山院隊挙兵事件/伯耆大山挙兵未遂事件/紀伊高野山鷲尾隊挙兵事件〉/東国における王政復古後の草莽の志士とその隊〈王政復古前後の関東の政局/薩邸浪士隊の関東各地挙兵事件と薩邸焼討事件〉)/Ⅲ 鳥羽伏見戦争直後の総督府と草莽諸隊(山陰道における草莽諸隊―西園寺公望と草莽の志士〈山城山科隊/丹波山国隊/丹波弓箭隊〉以下細目略/畿内における草莽諸隊―岩倉具視らと草莽の志士)/Ⅳ 戊辰戦争期の総督府と草莽諸隊(官軍先鋒赤報隊の結成と四日市処刑事件/東山道鎮撫総督府と赤報隊一番隊)/Ⅴ 草莽の志士・草莽諸隊切り捨ての時代へ(岩倉具視と官軍体制の確立/その後の草莽の志士)/あとがき/略年表