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『一遍聖絵』の世界

著:五味 文彦

紙版

内容紹介

踊念仏で知られる一遍の生涯を描いた国宝絵巻『一遍聖絵』。鎌倉時代後期の社会を活写した重要資料を、その全篇にわたって詞書に沿って構図に注目する。豊富なカラー図版で一遍の足取りを辿り、人びとの姿や動き、自然の移ろいに目をこらす。これまでの研究でいまだ明らかにされていなかった『一遍聖絵』の全体像と魅力に鮮やかに迫る注目の一冊。

目次

はじめに/『一遍聖絵』の制作(出家した一遍/修行の始まり/信仰の確信/遊行の開始/熊野での啓示)/遊行の旅路(融通念仏の遊行/苦難の遊行を経て/福岡の市/京の因幡堂)/踊念仏とともに(踊念仏の始まり/東山道の遊行/奥州への道)/東海道の一遍(鎌倉入りと踊念仏の展開/板屋舞台での踊念仏/伊豆三島社での往生と奇瑞/東海道での奇瑞)/踊念仏の熱狂から農漁村へ(入京への試練/京の一遍/北国の旅路をゆく)/先達の古跡を追って(神事・仏事の奇瑞/聖徳太子の跡を訪ねて/往生を考える/今様に誘われて/芸能を訪ねて)/最期の旅(伊予三島社の一遍/往生の地を求めて/臨終の地に向かう/臨終の時/一遍の往生)/『聖絵』とその周辺(絵巻はいかに制作されたか/聖戒とその周辺/『聖絵』の工夫/円伊はいかなる絵師か/『一遍聖絵』と他の一遍関係絵巻との違い)

著者略歴

著:五味 文彦
1946年山梨県生れ。1970年東京大学大学院修士課程修了。神戸大学講師、お茶の水女子大学助教授、東京大学教授、放送大学教授を経て、現在、東京大学名誉教授・放送大学名誉教授。※2021年8月現在
【主要編著書】『院政期社会の研究』(山川出版社、1984年)、『書物の中世史』(みすず書房、2003年)、『現代語訳吾妻鏡』全16巻・別巻1(共編、吉川弘文館、2007~2016年)、『文学で読む日本の歴史』5巻(山川出版社2020)

ISBN:9784642083966
出版社:吉川弘文館
判型:A5
ページ数:150ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2021年06月
発売日:2021年07月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ