出版社を探す

鳥羽・志摩の海女

素潜り漁の歴史と現在

著:塚本 明

紙版

内容紹介

国の重要無形民俗文化財「鳥羽・志摩の海女漁の技術」。長い歴史の中で漁法は変わらず受け継がれたが苦難の時代もあった。環境の変化、漁業権争い、出稼ぎ、男女協働から女性の生業へと至る歴史を辿り、観光資源や資源保護の視点も踏まえ、豊かで力強い文化を紹介する。働くことの意味、伝統・食文化のありかたを現代社会に問いかける注目の一冊。

目次

はじめに/原始・古代~中世の海女(志摩半島に海女が多い理由/考古遺物から見る鮑漁/文学に登場した海女)/近世の海女(海女漁の実態/海女漁獲物の流通/伊勢参りの広がりと海女/海藻の大量消費と海女漁)/海女の出稼ぎ(江戸時代の上磯・下磯稼ぎ/明治期の出稼ぎの広がり/朝鮮半島への出稼ぎ/朝鮮半島への影響/変わりゆく鳥羽・志摩の漁村)/観光海女の歴史(海女と観光/江戸時代の見物される海女/浮世絵に描かれる海女/近代の見物される海女―見世物小屋から博覧会へ/「海女と真珠」の志摩)/近代の海女へのまなざし(県や国による海女調査/海女研究のはじまり/鳥羽・志摩の民俗/新聞紙上で取り上げられた海女)/海女文化の現代(文化財指定に向けた活動/日韓文化交流/海女の後継者問題/鮑の稚貝栽培と放流事業/海女漁獲物と流通/海女の意識改革を)/おわりに―海女文化の射程

著者略歴

著:塚本 明
1960年、愛知県生まれ。1983年、京都大学文学部史学科卒業。1989年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。現在、三重大学人文学部教授 ※2019年7月現在
【主要編著書】『近世伊勢神宮領の触穢観念と被差別民』(清文堂出版、2014年)。『桑名町人風聞記録Ⅰ』〈共編〉(清文堂出版、2013年)、『三重県史』資料編近世3(下)、他〈共編著〉(三重県、2012年他)

ISBN:9784642083546
出版社:吉川弘文館
判型:A5
ページ数:230ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年07月
発売日:2019年06月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC