近代東京の地政学
青山・渋谷・表参道の開発と軍用地
著:武田 尚子
紙版
内容紹介
流行最先端のものがあふれる青山・渋谷・表参道には、江戸期から昭和戦前までの様々な痕跡も見出すことができる。新国立競技場の場所には幕府の火薬庫があり、渋谷には水車小屋が点在し、表参道では陸軍兵士が行進した。東京西郊の「山の手」台地は近代都市空間としてどう開発されたのか。地形と軍事が地域社会に与えた影響を地政学の視点を交え読み解く。
目次
はじめに―探訪「青山・渋谷・表参道」/江戸・東京西郊の地政学(台地の地形学/武家地と町人地/近代の開発と軍用地)/幕府の■硝蔵(江戸城と火薬/「山の手」の火薬庫/鉄炮と鷹狩/黒船来航と火薬製造/幕末の火薬争奪)/渋谷の町方・村方―江戸から明治へ(町場の暮らし/道玄坂の富士講と「水」/渋谷川の水車小屋)/明治の青山―火薬庫から青山練兵場へ(近代の軍制と軍用地/東京西南部への展開/青山練兵場と自由民権)/軍用地と渋谷(軍事都市東京/代々木村の強制移転/天皇の行幸路/渋谷の人口急増)以下細目略/大正の表参道と明治神宮/道玄坂と盛り場の形成/終章 「二つの練兵場」から「二つの国立競技場」へ/あとがき―山手の胸黒、下町の襟黒