考える江戸の人々
自立する生き方をさぐる
著:柴田 純
紙版
内容紹介
中世までは、戦や災害などの苦難に対し、神仏に祈るのみで自ら克服しようとすることがなかった。大きな社会変動を経て「平和」が実現した江戸時代に入ると、神仏の加護ではなく人の力で問題を解決するべきだと考えるようになっていく。大名の責任意識から庶民の寺子屋教育まで、考え、工夫して行動することが積極的に肯定されていく過程を描く。
目次
〝人を救うのは人だけだ〟/名君の条件(井伊直孝の治者意識/直興の教諭と木俣氏の諫言)/近世的思想とは(中世の思想・文化状況/藤原惺窩と林羅山/那波活所の思想/活所の中人思想/伊藤仁斎と荻生徂徠)/中間管理職を生きる(独立の精神/自立する武士の生き方/工夫する庄屋の生き方)/拡大する庶民の世界(旧五個荘町域での寺子屋教育/寺子屋時習斎/時習斎門人姓名録の分析/幕末段階での就学率/五個荘町域外の入門者/五個荘商人の教養と商業倫理)/創意工夫する現代社会