関東大震災を歩く
現代に生きる災害の記憶
著:武村 雅之
紙版
内容紹介
死者一〇万五千人、倒潰(とうかい)・焼失家屋三七万棟を数える未曾有の大災害、関東大震災。東京を歩くと、今もそこここに慰霊碑や記念物、復興のモニュメントがひっそりと佇む。人びとがどのような思いで死者を弔い、どんな理想(ビジョン)を持って瓦礫の街を蘇らせたのかを、豊富な写真とともに紹介する。三・一一以後を生きるすべての日本人に捧げる鎮魂と再生の書。
目次
はじめに/プロローグ 関東大震災とは/Ⅰ 被災の中心地墨田区を歩く(横網町公園とその周辺〈死者四万人/震災記念堂建設/子供たちの犠牲/同情と憎しみ/警察官の奮闘/阿弥陀仏と万人塚〉/向島周辺〈吾妻橋と太子堂/変わり果てた姿/俳人富田木歩の死/隅田公園/桜並木の盛衰〉/大横川周辺〈竪川と横川/第二の被服廠/火難水難剣難/一顧の歴史と寸時の祈念〉以下細目略)/Ⅱ 慰霊碑は語る(市民の犠牲者/女性たちの震災/漂流する遺体/個人の追善)/Ⅲ 受難の記憶(破壊の生き証人/避難と救済/明暗から生まれる教訓)/Ⅳ 再生の記憶(復興への息吹/帝都復興事業/繰り返す災害)/Ⅴ 寺院の移動と江戸文化の拡散(二七〇年ぶりの大移動/寺町散策/ユニークな寺院)/エピローグ 東京を蘇らせた人々