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禅僧たちの室町時代

中世禅林ものがたり

著:今泉 淑夫

紙版

内容紹介

室町幕府・将軍家・公家・武家・庶民に帰依されて発展した禅宗寺院。そこは中国から導入され日本化しながら育成された修道・修学の別世界であり、道に励む集団の中には堕落する者もいた。この隔離された複雑な空間で、僧たちはどのように生き、老いていったのか。禅林の公務日記『蔭凉(いんりょう)軒(けん)日録(にちろく)』ほかの史料に記された風聞や事件からその日常生活を描く。

目次

禅林の成り立ち―序にかえて―(禅宗を伝えた僧/中国の禅僧たちの来日/禅宗寺院と朝廷・幕府/室町禅林の形成/禅林の慣例)/まぎらわしき―禅林における同名別人―(ふたりの「周琳」/禅林における喝食)/情をかける―「美丈」の少年僧―(風聞を記す/月江寿桂の得度)/法語の長き―禅林の学才と伝統―/暗記する―禅林の記憶力―(禅林における暗誦の習慣/褒貶の詩歌合/辞書の暗記)/詩の材料―禅林の日常と詩的世界―/揺らぎ―壊れゆく信仰の空間―(応仁の乱からの復興と禅林の退廃/行者の出院と家庭事情/修道の破綻/悪化する京の治安と寺の荒廃/師と弟子の不和/禅林から離れる僧/破壊された信仰の空間)以下細目略/老いる―「衰老」「退院」「示寂」―

ISBN:9784642080392
出版社:吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2010年10月
発売日:2010年09月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB