読みなおす日本史
アイヌ民族と日本人
東アジアのなかの蝦夷地
著:菊池 勇夫
紙版
内容紹介
江戸時代後期、商人資本の蝦夷地開発により変容・解体を迫られるアイヌ社会。古代?近代に至る蝦夷地(アイヌモシリ)の姿を東アジアの視野から見つめ、国家と民族、市場経済と地域、文明と未開の文化意識を考える。
目次
序章 東アジアの視野のなかで/近世蝦夷地の歴史的前提(古代国家とエミシ〈華夷意識と蝦夷/エミシから俘囚へ/エミシはアイヌか日本人か〉以下細目略/中世のエゾと境界権力/アイヌ文化・民族の形成)/アイヌ民族と幕藩制国家(幕藩制国家の成立と蝦夷地/寛文蝦夷蜂起/近世アイヌの社会と文化)/蝦夷地の開発とアイヌ社会(場所請負制の展開/寛政蝦夷騒動/アイヌコタンの破壊)/東アジア物流のなかの蝦夷地(アイヌの山丹・千島交易/蝦夷地と国内市湯/中国貿易と蝦夷地)/蝦夷観と華夷意識(近世蝦夷をめぐる文化意識/華と夷の間の奥羽人/華夷意識克服の歩み)/近代化のなかの国家と民族(蝦夷地内国化/日露国境交渉と樺太/蝦夷地の終焉)/終章 「北門鎖鑰」史観をのりこえる/補論