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日本歴史民俗叢書

読み書きの民俗学

著:渡部 圭一

紙版

内容紹介

近世から近代の村落では、生活と一体化した読み書き実践が花開いていた。神社由緒書や石造物に刻まれた記録、真宗聖教の読誦と出版、頭役祭祀をめぐる文書や帳簿などを事例に、フィールドワークを駆使して丹念に検討する。声での伝達や身体動作と絡み合った、近世から近代の日本を舞台とする読み書きの特質を、初めて体系的に論じた注目の書。

目次

読み書き研究の課題(読み書きの民俗誌の構想〈問題の所在/「史料論」不在の民俗学/偶然記録からの脱却―百姓日記を例に/「文書の民俗誌」の進展/「もの」のライフサイクル/「もの」から「ひと」へ/読み書きの場の民俗誌に向けて〉/課題としての読み書きと声〈問題の所在/書物研究の成果/「口頭伝承偏重の民俗学」存疑/文字文化研究の課題〉以下細目略)/由緒形成と読み書き(式内社由緒の形成と地域神職/競合する由緒と社会集団)/真宗聖教の読誦と出版(「もの」としての出版聖教―御文章/活字本の流布と唱和の声―正信偈/出版勤行集の戦後史―般若心経)/頭役差定の伝達と記録(差定文書の伝達と声/帳簿管理と儀礼の「場」)/終章 読み書きの民俗誌の課題/索引

著者略歴

著:渡部 圭一
1980年、愛媛県生まれ。2007年、筑波大学大学院人文社会科学研究科歴史・人類学専攻退学。現在、京都先端科学大学人文学部准教授。 ※2023年6月現在
【主要著書・論文】「コンテクストにおける文書の民族誌」(古家信平編『現代民俗学のフィールド』、吉川弘文館、2018年)、『オビシャ文書の世界―関東の村の祭りと記録』(共編、岩田書院、2018年)

ISBN:9784642074131
出版社:吉川弘文館
判型:A5
ページ数:374ページ
定価:8500円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年07月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC