読みなおす日本史
皇紀・万博・オリンピック
皇室ブランドと経済発展
著:古川 隆久
紙版
内容紹介
西暦1940年、天皇即位から2600年たったとして、政府は橿原神宮の整備、万国博覧会開催、オリンピック招致などを計画した。国威発揚と経済発展を目指した計画の実行過程を検証し、戦後に残る遺産や影響も考える。
目次
はじめに/皇紀法制化(一八七二年)と国家イベント(皇紀(神武天皇紀元)―紀年法の近代化/橿原神宮の創建/政府の紀元二五五〇年(一八九〇年)記念イベント)/幻に終わった明治の大博覧会計画(発端―日露戦勝を祝って/日本大博覧会計画のスタート/経済効果への期待とアメリカの参加表明/大博覧会の延期と皇室ブランド/大博覧会の中止とその後)/「紀元二六〇〇年」(一九四〇)に向けて(紀元二六〇〇年奉祝の発端―オリンピック招致と橿原神宮拡張/一九三五年万博構想―外貨獲得と観光ブーム/紀元二六〇〇年万博構想―阪谷芳郎の登場/橿原神宮、奈良県と観光ブーム/紀元二六〇〇年奉祝記念事業の国家プロジェクト化/六大事業の決定/紀元二六〇〇年をめぐる国民観の対立/万博問題の紛糾/観光立県へ―奈良県)以下細目略/日中戦争のなかで/「紀元は二六〇〇年」/戦後への遺産・影響/おわりに/補論