読みなおす日本史
伊達騒動と原田甲斐
著:小林 清治
紙版
内容紹介
江戸の三大お家騒動「伊達騒動」。事件を脚色した歌舞伎「伽羅(めいぼく)先代(せんだい)萩(はぎ)」では悪役の仙台藩重臣原田(はらだ)甲斐(かい)だが、山本周五郎の小説『樅(もみ)ノ木は残った』では忠臣とされた。真相はどうだったか。史料を丹念に読み解き史実に迫る。
目次
〝先代萩〟と〝樅ノ木〟(伽羅先代萩/樅ノ木は残った/相反するふたつのビジョン)/〝伊達騒動実録〟と〝先代萩の真相〟(伊達騒動実録/『実録』の意図/山路愛山の伊達騒動記/田村実明、先代萩の真相/戦後の伊達騒動研究/黒箱のこと)/発端―綱宗逼塞(綱宗逼塞/綱宗の「乱行」/綱宗の「大酒」/後西天皇と綱宗/綱宗相続のいきさつ/家臣の綱宗排斥/綱宗の政治姿勢)以下細目略/綱宗をめぐる人びと/亀千代相続と兵部・右京の後見/原田甲斐の登場/党争の激化/谷地紛争おきる/伊達安芸、幕府に訴える/刃傷/結末―六十万石安泰/「伊達騒動」の真相―実像と虚像/「伊達騒動」と仙台藩体制/年表/参考文献/『伊達騒動と原田甲斐』を読む…難波信雄