敗者の日本史 16
近世日本の勝者と敗者
著:大石 学
紙版
内容紹介
江戸時代にも、平和と文明化を推進した勝者と、それに異議申し立てを唱えた敗者との戦いの歴史があった。「徳川の平和」が達成した成果と課題、勝者から最後は敗者となった幕府の苦闘を見直し、豊かな近世像を描き出す。
目次
戦国の覇者と敗者 プロローグ/Ⅰ 豊臣滅亡と徳川秩序の確立(「両雄」対決から「両家」対決へ― 関が原合戦と戦後処理/徳川の覇権にむけて/徳川新国家秩序の形成と抵抗)/Ⅱ キリスト禁教と天草四郎(禁教の強化/島原天草一揆/一揆の処理と影響)/Ⅲ 武士たちの異議申し立て(徳川政権の安定期/慶安事件/慶安事件以後/徳川秩序の確立)/Ⅳ もう一つの享保改革 将軍の地位と政治をめぐる尾張家対紀州家(将軍就任/紀州家の勝因/尾張宗春の挑戦/将軍吉宗の反撃/幕政改革批判の広がり)/Ⅴ 天璋院の「内政」と「外交」 徳川家存続の戦い(幕末の将軍家/幕末の朝幕関係/幕府敗北のなかで)/Ⅵ 幕末維新の敗者をめぐって 「西高東低史観」の克服(幕末期の幕政改革/江戸無血開城/旧幕府軍、敗戦の軌跡/箱館政府樹立と敗北)/戊辰戦争の「勝者」と「敗者」 エピローグ/略年表