読みなおす日本史
漢字の社会史
文明を支えた文字の三千年
著:阿辻 哲次
紙版
内容紹介
漢字は中国語を表記する文字でありながら、今日まで日本人の言語生活・文字文化に絶大な影響を与え続ける。漢字への人間の関わりを軸に、成立から現在までの漢字の歴史を、豊富なエピソードを交えながら述べた名著。
目次
はじめに/文字と古代国家(神聖な文字〈文明を伝播させる乗り物/世界最古のシュメール文字/漢字誕生をめぐる蒼頡造字伝説/文化英雄としての蒼頡〉以下細目略/記録の素材と内容/記録の方法)/国家と行政と文字(国家統一書体の完成/行政の現場から/記録素材の変化―竹から紙へ)/規範の確立(紙の登場と印刷の時代/王義之の果たした役割―書家と文字規範/漢字教育の歩み/漢字の字形の整理―『干禄字書』/印刷のはじまりとその影響)/東アジアの文字事情(漢字を媒介とした文化圏/古代日本と漢字/文字と外交)/終章 二十一世紀と漢字/補論(新常用漢字表のあり方について/シンニョウの点の数をめぐって)