歴史文化ライブラリー 569
大極殿の誕生
古代天皇の象徴に迫る
著:重見 泰
紙版
内容紹介
古代都城の中心であり、律令国家を象徴する巨大建築・大極殿。天武は天皇を頂点とする統治体制の重要な舞台として大極殿を創出しながら、王宮造営は未完に終わった。新王宮より前に大極殿を必要とした背景には何があったのか。小墾田宮から藤原宮まで王宮構造の変遷をたどり、飛鳥宮跡を新視点で再考。都城や陵墓から知られざる政治構想に迫る。
目次
都城研究・飛鳥宮の新しい視点―プロローグ/天武の王宮を探る(発掘された飛鳥浄御原宮/飛鳥浄御原宮はどんな宮か/大極殿はどれか―殿舎名の比定)/大極殿の創出(飛鳥時代の王宮/異彩を放つ難波宮/大極殿はなぜ必要だったか)/天皇の正統性(神と称えられた天武の実像―天武の正統性/陵墓で示す正統性/飛鳥と王権)/天武・持統の都城構想(“真都”の造営/大極殿の完成/天武の複都制構想)/大極殿のその後―エピローグ