歴史文化ライブラリー 557
郡司と天皇
地方豪族と古代国家
著:磐下 徹
紙版
内容紹介
古代国家による支配の鍵となった存在が、地域に根ざした勢力をもつ豪族だった。彼らは貴族化せずに地方に定住し、天皇から郡司に任命されて地方支配を担う一方で、行基ら僧侶と結びつき、民衆を集めて治水・架橋事業を展開した。郡司を輩出する氏族の構成と規模、地域における影響力や僧侶との関係を分析し、地方豪族と地域社会の姿を描き出す。
目次
土臭き「地方豪族」―プロローグ/郡司と天皇(郡司という官人〈地方官としての郡司/郡司に任用される人々/郡司の特異性/郡司と地方社会〉以下細目略/郡司を任用する/郡司読奏/結びつく郡司と天皇)/郡司層と地方豪族(郡司の交替と郡司層/地方豪族と官職・地位/地方豪族と行基)/郡司層の内実(既多寺知識経の知識/知識の具体相/知識を比較する/郡司層の復元)/地方豪族と古代社会(行基の足跡/鶴田池の風景/河内大橋をめぐる情景)/古代の地方豪族―エピローグ