歴史文化ライブラリー 547
鏡の古墳時代
著:下垣 仁志
紙版
内容紹介
弥生・古墳時代の鏡には、巫女の占い道具や神器といったイメージとは隔絶した、強烈な政治的性格があった。6000面をこえる出土資料をもとに、鏡背面の図像の意味、配布をつうじた有力者間関係、保有と副葬の意義などから、鏡をめぐる政治力学を平易に解説。鏡が国家形成にはたした決定的な役割に迫り、倭人にとって鏡とは何だったのかを解き明かす。
目次
古鏡をめぐるイメージ―プロローグ/古文献の鏡、考古資料の鏡(古文献の鏡/考古資料の鏡)/鏡・古墳・国家(日本古代国家形成論/権力資源の複合媒体―古墳と鏡)/鏡の意味体系(宇宙観とイコノロジー/倭人の図像理解/鏡の大小/死者に副える、祈り捧げる)/配布される鏡(同笵鏡論と伝世鏡論/鏡が動く、社会も動く/配布の政治性/鏡の重さ)/保有される鏡(伝世論から保有論へ/鏡の集団保有と副葬/骨と鏡/長期保有鏡と集団の同一性)/鏡と国家形成(〈権力資源の複合媒体〉 としての鏡/鏡が映しだす国家形成)/鏡と国家形成―エピローグ