歴史文化ライブラリー 546
神になった武士
平将門から西郷隆盛まで
著:高野 信治
紙版
内容紹介
死後、あるいは生きているうちから〈神〉となった武士がいる。彼らはなぜ祀られるようになったのか。膨大な祭神データを典拠に、宗教・信仰や地誌・文芸書など多様な切り口で、祭祀・神格化の過程を読み解く。古代から明治維新期まで地域守護、先祖祭祀、治病利益、国家の忠臣など、さまざまな役割を担い、今なお生き続ける〈神〉の全体像に迫る。
目次
「今以て生きてござる」―プロローグ/神になる武士(人が神になるとは/祭神の探索/神になる状況)/神格化という記憶のスタイル 記憶としての祭祀(武士祭神はどう記憶されたのか/記憶の語り手と祭祀/勧請される東照大権現)/アイデンティティの支え(御霊と祖神/見える政治性/領主と地域)/武士を神に祀る民(由緒と御霊/民への利益/治癒神の文芸・伝承化)/武士身分の消滅と近代化のなかで 開放と収斂(地域のシンボル/国家的な価値観/新たな忠臣)/生き続けてきた武士の記憶と祭祀―エピローグ