歴史文化ライブラリー 541
古代氏族の系図を読み解く
著:鈴木 正信
紙版
内容紹介
古代氏族がいつから天皇家に仕え、どのようなつながりがあるのかを伝える系譜と、その内容を系線によって視覚的に表現した系図。成立期の原本の状態を今に伝える海部氏・因支氏・紀氏の系図から、政治的・社会的事由のもと行われた系譜の整備や系図の編纂を読み解き、古代氏族の成立・展開の過程を描き出す。各系図の写真・翻刻を掲載する。
目次
古代氏族と系図―プロローグ/『海部氏系図』を読み解く 海人の職掌を介した同祖系譜の形成(『海部氏系図』の成立/海部直氏の内部構造/海部直氏と尾張連氏)/『円珍俗姓系図』を読み解く 天皇に始まる二つの氏族の出自系譜(『円珍俗姓系図』の構成/『円珍俗姓系図』の成立過程/因支首氏と円珍の系譜意識)/『紀伊国造次第』を読み解く 宗教的権威としての国造とその継承(『紀伊国造次第』の史料性/紀直氏の内部構造/紀直氏の成立と展開)/歴史叙述としての系図―エピローグ