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歴史文化ライブラリー 529

外来植物が変えた江戸時代

里湖・里海の資源と都市消費

著:佐野 静代

紙版

内容紹介

人間活動を含んだ水辺の生態系を里湖(さとうみ)・里海(さとうみ)と呼ぶ。そこで採られた水産肥料の主な対象は、木綿やサトウキビなど近世の外来植物だった。伝統的生業により形成された「在来型の自然」として語られてきた水辺に、人びとはいかにかかわり、生態系はどう変化したのか。山地の環境変化や都市の消費需要も視野に、「人の手の加わった自然」の実像に迫る。

目次

「人の手の加わった自然」と里湖・里海―プロローグ/琵琶湖における「里湖」の生態系と都市消費(水生植物と里湖の生態系/里湖と商品作物の移入/山地荒廃の里湖への影響/里湖と都市の消費需要)/「里湖」としての潟湖と商品作物(八郎潟の肥料藻利用とコアマモ/浜名湖の藻草と商品作物)/内海の「里海」と外来植物(「里海」としての三河湾/瀬戸内海の肥料藻利用と環境変化)/肥料藻と国際商品(里海とナマコの国際貿易/木綿・生糸・砂糖の輸入代替と肥料藻)/サンゴ礁の「里海」の成立(奄美へのサトウキビ・サツマイモの導入/サトウキビと里海の水産肥料/サンゴ礁の里海の資源利用)/里湖・里海から見える未来―エピローグ

著者略歴

著:佐野 静代
1968年、京都市生まれ。1991年、大阪大学文学部日本学科卒業。1995年、奈良女子大学大学院人間文化研究科博士課程中途退学。滋賀大学准教授を経て、現在、同志社大学文学部教授。博士(文学)。 ※2021年8月現在
【主要編著書】『中近世の村落と水辺の環境史』(吉川弘文館、2008年)、「琵琶湖岸村落の「文化的景観」の全体構造―滋賀県高島市針江地区の「里湖」と「里川」―」(水野章二編『琵琶湖と人の環境史』、岩田書院、2011年)、『中近世の生業と里湖の環境史』(吉川弘文館、2017年)

ISBN:9784642059299
出版社:吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年07月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC