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歴史文化ライブラリー 499

香道の文化史

著:本間 洋子

紙版

内容紹介

香りを聞く芸道「香道(こうどう)」は中世日本で花開いた。香木の香りを鑑賞し、違いを聞き分けて楽しむ遊びの源流を探り、「香道の祖」とされる三条西実隆をはじめ香文化に関わった人々の姿を、彼らの日記などから浮き彫りにする。また、舶来品の香木や天皇が作る薫物(たきもの)が贈答用として珍重され、朝廷や武家のなかで政治的な役割を担った側面も鮮やかに描き出す。

目次

香道とは―プロローグ/香道前史 古代から南北朝時代(古代から鎌倉時代―仏前の供香・薫物の調合/南北朝時代―香木単体を炷く)/香道の黎明 禁中の香会と組香(禁中ではどのような香会が行われたのか―組香と懸物/残された十炷香記録/系図香の香会と香図のバリエーション/源氏香の誕生―永正十三年成立の『源氏物語』香図)/二人の始祖 三条西実隆と志野宗信(三条西実隆はなぜ「香道の祖」となったのか/「志野流の祖」志野宗信と酒屋土倉「志野」)/香木の献上(天皇への香木献上―香木はどこから来るのか/名香蘭奢待の献上と下賜―截香とその後の行方)/天皇からの薫物・匂い袋下賜(薫物は誰に与えられたのか―信長以前・以後/匂い袋を与えられる人々―薫物との違い)/香道の発展 江戸時代の香会と組香(江戸時代の香会―新たな組香と伝統の十?香/組香の展開―遊戯性を加味した盤物)/香道の黎明とその後―エピローグ

著者略歴

著:本間 洋子
群馬県に生まれる。武蔵大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、武蔵大学総合研究所研究員、博士(人文学)、臭気判定士 ※2020年5月現在
【主要編著書】『中世後期の香文化―香道の黎明―』(思文閣出版、2014年)、「蘭奢待の贈答経路」(『服飾文化学会誌』1巻1号、2001年)、「中世後期香文化拾遺考」(『武蔵大学総合研究所紀要』18号、2009年)

ISBN:9784642058995
出版社:吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2020年05月
発売日:2020年04月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WJJ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:WJY