歴史文化ライブラリー 495
敗者たちの中世争乱
年号から読み解く
著:関 幸彦
紙版
内容紹介
武士の台頭した時代、中世。その力が確立するなか、幾度も政変や合戦が起きた。多くは、当時の年号を冠した争乱の名前でいまに伝えられている。鎌倉幕府成立時の「治承・寿永の内乱」から戦国時代の幕開けを告げる「享徳の乱」まで、十五の闘諍を年代記風に辿り、そこにまつわる記憶とともに、野史や外伝もふまえつつ敗れた者への視点から描き出す。
目次
謡曲『望月』―プロローグ/鎌倉 「関東」と敗者たち(治承 源頼政の存念―交差する記憶と記録/文治 反骨の証明か、大河兼任の乱―奥州藤原氏の意地/建保 和田合戦―和田義盛の執心、朝比奈三郎の抗心/承久 後鳥羽上皇の残念―「武家、天気ニ背ク」の深層/宝治 三浦一族の悔恨―宝治合戦が伝えるもの/弘安 霜月騒動の余震―安達泰盛の強盛と没落)/南北朝 「吉野」の記憶と敗者たち(建武 中先代の乱―北条時行の粘り強さ/正平 四条畷合戦と楠木一族の順義―吉野という記憶/観応 観応の擾乱の周辺―足利直義から直冬へ、負の連鎖を考える/康暦 小山義政と康暦の蜂起―呼び出される抗心の旗印/明徳 明徳の乱と山名氏清―「六分一殿」の思惑)/室町 両府相剋と敗者たち(応永 応永の乱から禅秀の乱へ―大内義弘そして上杉氏憲を考える/永享 永享の乱と公方持氏の抗心―両府激突/嘉吉 嘉吉の乱の奥行き―将軍横死の顚末/享徳 享徳の乱と古河公方成氏の矜持―都鄙争乱と戦国への助走)