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歴史文化ライブラリー 432

江戸のパスポート

旅の不安はどう解消されたか

著:柴田 純

紙版

内容紹介

街道の整備や旅(はた)籠(ご)の充実などにより、庶民の旅が盛行した江戸時代。旅人は、身許証明であると同時に、病気や不慮の事故の際に保護を求める文言が記された「往来手形」を携えていた。追放・勘当による無宿者など、手形の恩恵を受けられない人々の問題にも触れつつ、この旅行難民救済のシステム=パスポート体制からみえる江戸時代の光と影に迫る。

目次

旅に倒れて―プロローグ/元禄享保期の旅行難民対策(元禄令と村送/元禄令と加賀藩/元禄令と諸藩の対応/明和令成立の背景)/パスポート体制の成立(旅行難民救済の実態/往来手形について/旅行難民の実数を考える/田辺領でのパスポート体制の成立)/パスポート体制の整備と終焉(田辺領での村送体制の整備/難所峠の整備/旅行難民の迎えについて/地域財政を圧迫する負担の増大/明和令以後の村送り問題/藩領を異にした紛争の処理/パスポート体制の終焉)/パスポート体制の影(乞食死を考える/紀州藩田辺領の乞食死/紀州藩田辺領での乞食対策/乞食死の対応をめぐって/往来手形不携帯の人々の処遇)/偽往来手形と無宿(無宿問題へのアプローチ/偽往来手形の横行/義絶帳外急増の背景/義絶帳外と追放の実態/天保改革と無宿問題/無宿の終焉)/近世パスポート体制から学ぶ―エピローグ

著者略歴

著:柴田 純
1947年、愛知県に生まれる。1972年、京都大学文学部国史学科卒業。1981年、京都大学大学院博士課程国史学専攻単位取得満期退学。現在、京都女子大学文学部教授、京都大学博士(文学) ※2012年12月現在【主な編著書】『思想史における近世』(思文閣出版、1991年)『江戸武士の日常生活』(講談社、2000年)「“七つ前は神のうち”は本当か」(『国立歴史民俗博物館研究報告』第141集、2008年)

ISBN:9784642058322
出版社:吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:280ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2016年09月
発売日:2016年08月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC