歴史文化ライブラリー 403
戦国貴族の生き残り戦略
著:岡野 友彦
紙版
内容紹介
戦国時代を生き抜いたのは、戦国武将や一揆の民衆たちだけではなかった。摂関家に次ぐ家格である清華(せいが)家の一つ、久(こ)我(が)家に伝わった『久我家文書』に光を当て、生き残りをかけた荘園経営の実態などから戦国貴族の苦悩としたたかさを読み解く。これまで重視されてきた文化的側面ではなく、経済的側面から戦国貴族の実像を浮き彫りにする注目の一冊。
目次
中世の久我家と久我家文書―プロローグ/応仁・文明の乱と畿内近国(大乱のはじまりと近江鈎の陣/播磨赤松家と久我家/伊勢北畠家と久我家)/戦国時代の山城国久我荘(明応の政変と久我本荘/山城国久我荘の政所/山城国久我荘の千種祭)/年貢収入から商業課税へ(洛中立売課役と傾城局公事/座中天文騒動)/近世公家社会への転換(近衛家と天下人たち/久我敦通の勅勘とその後)/近世の久我家文書と久我家―エピローグ