歴史文化ライブラリー 393
武士の奉公 本音と建前
江戸時代の出世と処世術
著:高野 信治
紙版
内容紹介
御(お)家(いえ)や主君のために命がけで戦った武士たち。平和の続く江戸時代、戦功をあげる機会がなくなり「役人」として生きなければならなかった彼らは、どのような価値観で奉公していたのか。上司に取り入り立身出世を勝ち取る者、保身や人間関係に配慮する者…。身分制社会のなかで、したたかに生きようとした武士たちの「働く思い」を読み解く注目の書。
目次
戦功をあげられない武士たちの働く思い―プロローグ/家臣の立ち位置(江戸時代の武士・家臣/人事と家格/殿様たちの思い/「御為」の行方)/慎みとやる気(慎む武士たち/奉公と出世/私欲とやる気)/ 人事の要件(人事への関心/評価のあり方/登用の必要性)/人と金(人材と学問・教育/大事な人間関係/「儀」より「へつらい」)/思いを記す家臣たち(武士道書ににじむ思い/記される奉公書/役人として文人として)/武士の欲求膨張とコントロール―エピローグ